番外編1
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じゃ止められない」
「もし…封印が破壊されて…赤い雨が降ることになったり…海へ流れて辿り着いたらもう止めれることは出来ないかもしれない」
「だけど…私は…」
悲壮な覚悟を決めて語る少女を見て俺はようやくやりたい事をどのように行うのかを定めた。
「……色々と教えてくれてありがとう」
「俺は…驚いたこともあるし納得したこともある…話してくれて嬉しいかったよ」
気合いを入れている俺を見て驚いているサーシャを見て思わずくすりと笑う。
「…っ…」
俺は自分を責めているサーシャを見て。
「この世界に居る俺にも関わりがあって、自分のためにも戦う必要があるって先に知れたってのは良いことだしな」
「だから…誰かの為に、自分のために俺たちでやれるだけやろう」
どうしようもなく詭弁だろう。一部本心は有る。サーシャに思い出したくもないモノを思い出させてしまった罪悪感もある。これでサーシャにかかる重荷を少しでも背負えるだろうか。
(誰かを救い続けないときっと彼女は救いを感じることなんてないのかも)
(だから俺はサーシャのために…他者を守り戦わないといけない)
「…ええ…そうね。私たちできっと成すべきことを成しましょう」
そう言ってサーシャは納得したのか雰囲気も落ち着いてきた。
そしてさっきの授業より内容が難しく一緒に頑張ろうと告げたからかスパルタ詰め込み教育になって行ったのはまた別の話。
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2.ガールミーツボーイ
私は暗闇の中で一人だ。剣で壁のような場所に縫い付けられて鎖によって術式を妨害されて封印されている。こんな場所に居るからか封印の中で時間の流れが歪んでいるからかもう私は何年ここにいるかすらわからない。
禁忌術式によって流れ込んでいた感情もあの『土魔法使い』によって封印されたからか小康状態だ。とはいえ流れ込む憎悪、恐怖、悲嘆それらの感情はまだ流れ込んでいる。その感情と身体を貫く冷たい剣によって血が流れ続ける痛みによって私の身も心も縫い付けられている。どこかへそのまま消えてしまいたいと思う私の意識はここに繋ぎ止められている。
禁忌術式より来たる魔力によって生きながらえている私はこのまま此処で消え果てるのも己の悪因悪果というものだ。もはや血が流れ続けても死することのないように成り果てた私はその日が来るまでにここで眠り続けなくてはならないのだろう。私が救われていい理由などあるはずがないのだから。
そんな不毛でどうしようもない自問自答の繰り返しは突然終わりを告げた。
これは幻聴だろうか扉の開く音がする。血の匂いがする。どんな怪物がやってきたのか、ついに私は殺されてしまうの
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