暁 〜小説投稿サイト〜
仮面ライダーディネクト その男、世界の継承者
前編:とある世界の話
[2/4]

[1] [9] 最後 最初 [2]次話
は迫ってくる敵を見つけると、残った足で刺突攻撃を繰り出す。
鋭く突き出された足を青年は手に持った剣でさばいていき、応戦する。

「おうおう、どうした? 一人の人間すら捉えられないってことか?」

『キィィィィ!?』

「おお怖い怖い。ま、お前のような手がかかりそうな痴女な絡新婦(ジョロウグモ)は願いさげだっつうの。ただでさえこっちには手がかかる女がいるからな」

軽口を挟みながら青年はクモ女の攻撃を剣でだけ弾いてく。
一つ一つの鋭い一撃を青年は時に巧みに避けて、剣を振るい斬撃を叩き込んだ。
斬光を残すほどの素早い一振に怪人であるはずのクモ女は引き下がる。

『キキキ……!』

「さぁ来いよ絡新婦。それとも生身の人間相手に圧されて怖くなったか?」

『キシャアアアアア!!!』

不適に笑う青年の挑発を受けて、ヒステリック気味な叫び声を発しながらクモ女は裂けた口から糸を放つ。
幾何にも別れて放たれたそれは青年と少年を捕らえんと降りかかる。
だが、そこへ何処からともなく飛んできた炎がクモ女の糸を燃やし尽くた。

「ほ、炎!?」

少年は炎が飛んできた方向へ振り向くと、そこには一人の若い女性が立っていた。
赤みがかった茶髪と真紅色の瞳が特徴のその女性は手に灯された炎をクモ女へと浴びせながら牽制。
盛年の元へと近づくと、眉を潜めながら青年の首根っこをつかんだ。

「ちょっと、誰が手がかかる女ですって?」

「いや? 俺ぐらいしかお前の傍には勤まらないだろ?」

「私、あんなのじゃないんですけど!」

「当たり前だ、二人もいてたまるかよ」

「それってどういう意味よ!?」

「そのままの意味だよ」

先ほどの口にした言葉によって口喧嘩を始める青年と女性。
怪物であるクモ女そっちのけで繰り広げられる二人の痴話喧嘩……緊張感のないその光景に少年は少し呆れ、クモ女は激怒せんと言わんばかりの鳴き声を上げて襲い掛かっていく。

『キシャアアアア!!』

「「――首突っ込むな!」」

二人の男女へとその瞬間、放たれたのは斬撃と強風。
青年が振るった剣の斬撃と女性の手から繰り出した疾風がクモ女へと襲い掛かる。
二つの攻撃によってた切り刻まれた瞬間、クモ女はそのまま地面へと倒れ、その体は溶けるように消えていった。
自分をおかけていた怪物を一瞬で倒した二人に少年は驚いていた。

「凄い、あの怪物を倒すなんて……」

「おーい、君、大丈夫か?」

「怪我はない?歩けるかな?」

「えっ……う、うん。大丈夫」

戦いを終えてこちらに気づいた二人の男女は少年の存在に気付くと、駆け寄って心配そうにのぞき込む。
青年の差し出された手に引かれ、少年は立ち上がると、交互に二人を
[1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ