十二話 夜の双翼(後編)
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たことを羅列すると。
『機体の操作法、バランス感覚の取り方などが説明できないが感覚的に理解できてしまい、操縦席で操作器具に触れた瞬間、それを現実にできる。新規機体に乗り換えた際も、ニュータイプ以外の者より短期間で、自分の身体を動かすのと同じ感覚で操作可能』
『相手がどう動くのかが朧気ながら理解でき、近接、遠距離共に相手の動きに対し、事前に対応できる。特に敵意、悪意を持った攻撃は数秒前に悪寒にも似た何かが頭に走り、何処に撃たれるのか分かってしまう』
サイクロプスで爆裂する機体が光の華を咲かせた中で、脳に異常な負担がかかり昏倒したあの日から、ジョンの脳はモビルスーツに乗ったとき、そういった一種の第六感を用いた運用を可能としていた。
なお、ジョンには預かり知らぬ事だが、彼の身におきた事は高レベルニュータイプに触れた精神が強制的に低レベルのニュータイプの領域まで引き上げられた現象であり、高レベルのニュータイプは、もっと『物理的制約』を無視した運用を可能とする。
閑話休題
「さて、俺のハーレムに会う前に仕事しねえとな。ただでさえ肩身狭いんだ」
全く笑ってない顔で、ため息混じりに自嘲しながら言うジョンに、イヴがニヤニヤしながら返す。
「まあ、ようやく観念しました?」
口に手を当て、からかうイヴに
「いや、諦めてる」
全く笑ってない顔で、ジョンは返した。
「さて、OSのブラッシュアップは前回同様、他の皆のモーションログを送りつけりゃ良い。俺達のログを送っても、『動きに至る思考が理解できない』と、返されるだけだしね。まずはハードを完成させよう」
一つ両手を合わせて叩いて、下らない話を中座する。
ベルトのポーチから個人端末を起動、テキストページを開くと同時に音声アプリも立ち上げる。
音声を自動筆記するソフトで、今から機体を実際に動かした時の要点を送るためだ。
「GAT-X004 ナイトイーグル、武装は両肩の試作ビームサーベル『グラム』、両腰の試作ビームバスター『ミスティック・バレット』、対ビームシールドを基本装備」
武装の簡易説明の後は、本作戦のキモである実際の兵装使用結果の報告だ。
「ミスティック・バレット試射5回、多角度からジンに対しビームの射出などを数度行ったが、全て貫通。威力は申し分ないがエネルギーの早期枯渇が課題。フェイズシフトと同時併用の為には、バッテリー改良に加え、放出威力のコントロールも推奨」
続いては、ビームサーベルの品評だ。
「両肩のビームサーベルの出力による威力や現象の変化を、基地内で担当エンジニア監督の元、互いに打ち合わせる行為も含め確認した結果、ミラージュコロイド粒子の収束具合が互いに薄い場合のみ、互いにすり抜けて奥の物体に当たっ
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