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ツバサ -DECADE CHRoNiCLE《ディケイドクロニクル》-
第26話:別れのオクリカゼ
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取った二人は背を向けたまま、代わりに片腕を上げて答え、バイクを走らせるのであった。
―――二人の大自然の戦士の『この世界での旅』は続く。
―――いずれ『帰るべき世界への術』を見つけるために。
〜〜〜〜〜
時間は夜、晩飯頃。
別の世界からやってきた二人の仮面ライダーの旅立ちを見送った後、光写真館へと戻った士達一行は館内に入った。
すぐさま撮影室へと繋がる廊下から栄次郎が顔を出して出迎え、手招きしていた。
「みんな、お帰り。お客さんが君達に会いたがっているよ」
「随分と大人気みたいだな。俺達」
「でも変な話だよね。俺達ここにきてそう長くないはずなのに」
士とファイが指摘する通り、彼らがネオライダーの世界にやってきてそう長くないはずだ。
知り合いも虎太郎や小室、一条といったライダーに関する人を除けばネオライダーに有名なくらいしか心当たりはない。
どちらかといえば後者は避けたいところと思って、士達が撮影室を覗くと……。
そこには、撮影室に置かれた机の上でお好み焼きを食する若い二人の男がいた。
「豚玉、いっただきー!」
「おいバカ、勝手にとるんじゃねえよ!」
「いいだろ出来上がってるんだから。しかも美味いし」
「たっく食い意地だけは張りやがって」
一人はバンダナを取り付けた少年、もう一人はゴーグルが特徴的な青年。
鉄板の上で焼かれたお好み焼きを前に取り合う光景を見て、士達は呆気に取られている。
そんな中、二人の姿を見て反応したのは、小狼だった。
「龍王!? 笙悟さん!?」
「「へっ……?」」
初対面の小狼に"名乗ってないはず"の名前を呼ばれ、素っ頓狂な声を上げる男二人。
片やバンダナの少年、その名は『龍王』。
片やゴーグルの青年、その名は『浅黄笙悟』。
かつて小狼達が旅した世界にて出会った人達が、また別の形で、初めての人物として、再会することとなった。
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