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ツバサ -DECADE CHRoNiCLE《ディケイドクロニクル》-
第21話:渦巻くセンプウ
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頼打地区。
高層ビル同士の間に張り巡らされた路地裏……そこに地べたに座り込む人の姿があった。
小綺麗にしていたはずの白いスーツは赤黒く汚れ、頬には切り傷によってできた血がついていた。
「ハハッ、この姿じゃ女の子は誘えないな……怪我人相手に容赦ないんだよ」
顔についた血を手で拭いながら、ぶっきらぼうに笑って呟く茶髪の男。
『この世界』にやってきて、最初に会ったのは見たこともない怪物に襲われる子供達……彼の性格上、見過ごすなんてこともできず、助ける事にした。
何らく怪物たちを倒して襲われていた子供達を助けたものの、怪物の仲間と思われる黒服の連中がやってきて、標的を自分に変えて追われる身となった。
奇妙なことに黒服の連中は"ネオライダー"と名乗り、妙なツールを持って別の姿に変わった。まるで『変身した自分』と何処か被ってみえた。
お世辞にも自分と同じ存在と例えたことに自嘲しながら、男は空を見上げた。
「一度は死んだかと思ったんだが、まさかまた『生』を得られるとはねえ」
そう言いながら男は胸に手をかざすと、そこからあるものが現れる。
それは淡い桃色の模様が描かれた白い羽だった。
男はその羽根を手で掴み、問いかける様に言葉を投げかける。
「お前は何のために俺を生き永らえさせてるんだ?」
男は皮肉を秘めた言葉を口にして吐き出した。
その言葉に応える者は誰もいなかった。
〜〜〜〜〜
G3ユニットの協力によって大型魔化魍を撃破した二日後。
光写真館の撮影室にて、士達7人は机に置いた写真を覗き込む形で見ていた。
机の上に置かれた写真に映っていたのは【羽根を握りしめた仮面の戦士】。
一条から提供された写真の複製をもらったものであり、士達と小狼達、二つの一行がようやく手に入れたサクラの羽根の手かがり。
小狼は写真に写っている人物を見ながら呟いた。
「この人が、サクラの羽根を持っているんですね」
「だが、見た所持っているのは人間じゃない。どちらかと言えば俺達仮面ライダーに近いな」
士は顎に手を当てながら、羽根を握りしめる仮面の戦士の姿を見ていた。
遠くから撮られた写真のため、鮮明な姿の詳細は分からないが、なんとなくだが分かる。
この写真に写っている存在が【仮面ライダー】だと。
ユウスケは一条から伝えられた情報を皆に言う。
「一条さんによると、この写真は数日前に撮られたもので、そこでネオライダーの怪人達と戦っていた所を撮影したそうなんだ」
「ネオライダーと戦っていたか。あっちが出ないといいけどねぇ」
ファイは"ネオライダー"という単語を聞いて、今回も出てくるのではないかと危ぶんでいる。
今までの彼らと戦ってきて一度目を付けた相手には執着する行動原理は幾度の戦
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