第百五十九話 豚汁その五
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「その通りよね」
「そうでしょ」
「食べものは粗末しないことよ」
「食べられる部分は何処でも食べてね」
「内臓でもね」
「しかも内臓美味しくて栄養もあるから」
かな恵はまたこう言った、兎角生きものの内臓を良質の食材とみなしていることがわかる言葉だった。
「それでね」
「食べることね」
「そう、だからね」
「かな恵もお料理に使うわね」
「しかも安いし」
かな恵はこのことを真顔で言った。
「普通のお肉と比べて」
「お金のこともあるのね」
「やっぱりお金でしょ」
「大事なのはね」
「考えて使わないとね」
金はというのだ。
「だからよ」
「内臓はそうした意味でもいいのね」
「そう、しかも鳴海っちも好きだし」
またこのことについて言った、それも笑顔で。
「尚更いいわ、鳴海っち内臓何でも食べるからね」
「レバーでも何でもよね」
「豚でもそうで牛でも鶏でもね」
「レバーって癖あるけれどね」
そうした味だとだ、富美子は指摘した。
「それでもなのね」
「大好きなのね」
「それ言うと私も結構好きだけれどね、レバー」
「美味しいわよね」
「特に鶏のレバーね」
「鶏肝ね、あれ食べたらね」
留奈が言ってきた。
「ビタミンB1豊富で」
「身体にいいのよ」
「今はもうない病気だけど」
こう前置きして話した。
「脚気にもいいのよね」
「そうなのよ」
「だから尚更いいわね、脚気も死ぬしね」
江戸時代から明治にかけて国民病で多くの日本人が命を落としている、実は源氏物語でも名前が出てくる。
「そう考えたらレバーいいわね」
「そうなのよ、けれど今はないから」
「豚肉食べればいいわね」
「豚は普通のお肉にも栄養あるから」
「食べたらいいわね」
「それで栄養補給して」
かな恵は笑顔で話した。
「あったまりもしましょう」
「それじゃあね」
留奈は笑顔で応えた、そして手の空いている者は全員でかな恵達を手伝って豚汁を作りお握りも握った、そのうえで皆で食べるが。
豚汁を一口飲んでだ、留奈は笑顔で言った。
「いいだし加減ね」
「上手くいったわ」
かな恵は一緒に食べつつ応えた。
「一度に作ったからお味噌思いきり使ったのよ」
「だしも取ったのね」
「昆布でね」
「そうしたのね」
「それでお野菜もお肉もどかっと入れて」
そうしてというのだ。
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