第四話 団欒その七
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「大谷選手の速球を打たないとな」
「凍らせようとしても間に合わないわね」
おユキは自分の能力のことから考えた。
「変化球で一三八キロだから」
「そんな速さの変化球もないでしょ」
朱美は眉を曇らせて続いた。
「一五一キロのもあるし」
「そうですよね」
「ああ、スライダーが一三八キロでな」
それでというのだ。
「スプリットが一五一キロだよ」
「そこまで速いですと」
「あんたが氷で凍らせてボールの動き止めようとしてもか」
「間に合いません」
そうだというのだ。
「速くて変化もしますし」
「その変化もえげつないしな」
「ですから」
だからだというのだ。
「私もです」
「力は意味なくてか」
「本来の力で」
それで以てというのだ。
「戦うしかありません」
「そうなんだよな」
朱美もこう返した。
「あれ位の人になるとな」
「小細工は通用しません」
おユキはきっぱりと言い切った。
「私も実はです」
「小細工するか」
「そうですが」
「大谷選手にはか」
「通用しないとわかっているので」
だからだというのだ。
「最初からです」
「全力でやるか」
「野球を」
「それで皆さん揃いましたし」
三鷹はそれでとここで言った。
「練習も一緒にしていきますか」
「いいですね」
スズキ先生が応えた。
「同じ目的の為に試合をしますし」
「一緒に甲子園にいますし」
「それならですね」
「はい、一緒にです」
スズキ先生に笑顔で話した。
「練習をしていきましょう」
「そうしましょう」
「色々個性的な人達がいますし」
三鷹はこうも言った。
「ですから」
「一緒に練習をして」
「楽しくやっていきましょう」
「是非共」
「そうですね、それでなのですが」
響子はここで自分達のユニフォームを見て言った。
「皆さん阪神のユニフォームで」
「それが何か」
飛鳥が応えた、飛鳥の目もキラキラとしている。
「何かありますか?」
「よくこうした時は女の人は半ズボンですね」
「そうですね」
飛鳥も確かにと頷いた。
「体育の時はブルマで」
「そうですが」
「いや、やっぱりな」
七宝が応えた。
「半ズボンやブルマで野球は危ないだろ」
「スライディング等の時に」
「生足だとな」
飛鳥に腕を組んで答えた。
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