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八条学園騒動記
第七百八十六話 海賊の食事その十四

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「あんな凄い人でもね」
「そうだよね」
「あっちじゃ違ったみたいだけれど」
「エウロパ総統ですら一目置く」
「枢機卿さん達が王様でね」
「法皇さんは皇帝だね」
「そんな立場なのよ」 
 こうトムに話した。
「あそこじゃね」
「昔はもっと凄くて」
「法皇様は太陽でね」
「皇帝が月だね」
「そこまでだったのよ」
 ローマ法皇の権威が絶頂期を迎えていた頃の法皇インノケンティウス三世の言葉だ、僅か三十七歳で法皇になったことでも知られている。
「法皇様はね、けれどね」
「連合だとね」
「本当にお仕事離れたら」
「市民よ」
「天皇や王様は違っても」
 連合の中のというのだ。
「流石にね」
「法皇様位はね」
「そうなるね」
「お仕事を離れたら普通の人よ」 
 三人もこう言うのだった。
「実際枢機卿さんもそう言っておられるしね」
「連合だと戻れるけれど」
「エウロパじゃ違うってね」
「そこがわからないよ」
 トムは首を傾げさせて言った。
「僕もね」
「そうだよね」
「どうもね」
「そのことが」
「あそこじゃ枢機卿さんは教会の君主で」
 その立場でというのだ。
「貴族の中でもね」
「王様位でね」
「物凄く偉くて」
「階級凄くて」
「もう常に公で」
 即ちプライベートの時間がなくというのだ。
「それでね」
「そうであってね」
「もう常に君主として振る舞う」
「そんな立場よね」
「それがわからないよ、お仕事なのに」
 教会の聖職者もというのだ。
「結局は」
「そこに階級があるのがね」
「どうもね」
「私達には理解出来ないわね」
「そうだよね」
 これがというのだった。
「これが」
「それで海賊でもかしら」
 ペリーヌは言った。
「やっぱりね」
「あっちじゃ階級あるんだ」
「今もそうかしら」
「海賊に階級って」
「階級社会だから」
 エウロパはというのだ。
「やっぱりね」
「貴族で海賊ってあるんだ」
「あるでしょ」
 トムに素っ気ない感じで答えた。
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