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八条学園騒動記
第七百八十六話 海賊の食事その十一

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「ティン=カーベルや他の子達とね」
「只の妖精の国だね」
「楽しい国でも」
 そうであってもというのだ。
「善悪がなくて」
「楽しくても」
「メリハリのない」
 そうしたというのだ。
「そんな国かな」
「面白くない国かな」
「面白くて楽しくてもね」
 そうした国であることは事実だがというのだ。
「けれどね」
「それだけかな」
「そう、それだけのね」
 まさにというのだ。
「これといって移り変わりのない」
「そんな国だね」
「例えば」
 スターリングは落ち着いた声で言った。
「エウロパは僕達の敵だね」
「大嫌いなね」
「もうずっと敵対している」
「憎い国だよ」
「けれどね」
 そうであるがというのだ。
「そのエウロパ特に貴族がいないとどうかな」
「あの国が?」
「敵であるエウロパがね、連合はどうかな」
「僕達は」
「どうかな」
「エウロパがいないと」
 トムはそうなった場合を考えてスターリングに答えた。
「それはそれでね」
「足りないよね」
「エウロパは嫌いでも」
 連合市民はほぼ全員そうである、尚これはエウロパ側も同じでありどちらも嫌い合っているのである。
「それでもいなかったら」
「寂しいね」
「大体連合が正義でいるには」
「エウロパという悪が必要?」
「敵がね」
「そうなるんだ」
「というか連合ってまとまりないよね」
「全くね」 
 トムもそうだと答えた。
「喧嘩ばかりしているから」
「各国同士がね」
「中央政府ともね」
「それで各国の中でもね」
 蝉玉も言ってきた。
「揉めてばかりで」
「もう誰もがだね」
「揉めててね」 
 蝉玉はスターリングにも話した。
「まとまりないわ」
「全くね」
「そうした国よね」
「そんな国だから」
 スターリングは蝉玉にも語った。
「もうね」
「連合共通の敵が必要ね」
「人って敵がいたらまとまるよね」
「共通の敵に対してね」
「そして連合をまとめる為には」
 その為にはというのだ。
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