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世界の礎
第五話 ナイル川その十一

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「是非な」
「そうされますか」
「これは地中海に限らずな」
「他の地域でも同じですね」
「利益は独占しないことだ」
「相手にももたらす」
「そうするのだ、では地中海をな」
「掌握しますね」
「南岸とジブラルタルにだ」
 海峡も抑えてというのだ。
「シチリア島そしてサルディニア島やコルシカ島もな」
「掌握しますか」
「そうしていく、いいな」
「わかりました」
 キトは義青の言葉に頷いた、そうしてだった。
 帝国はカルタゴに使者を送り自国に入る様に勧めた、この街はこれまでの利益を保証されるならと喜んで加わった。
 そしてだ、帝国はアフリカ北岸を進み。
 アトラス山脈から海を越えて海峡部分も掌握した、シチリアやコルシカには反発する街や村も多かったが。
「水軍で以てです」
「敵の艦隊を倒してだな」
「陸の軍隊を上陸させますと」 
 キトは義青に話した。
「どの街も村もです」
「降ったな」
「そうなりました、どの街や村の軍隊もです」
「少なくだな」
「装備も劣っていまして」
 帝国軍に比べてというのだ。
「楽にです」
「勝てたな」
「はい」 
 そうなったというのだ。
「無事に」
「それは何よりだな」
「はい、そして」 
 義青にさらに話した。
「三つの島は全てです」
「帝国の領土となったな」
「そして水軍の基地も置きました」
「それは何よりだ、それとカルタゴも加わったが」 
 義青はこの街のことも話した。
「やはり凄いな」
「はい、商業で栄え」
 ヤキが応えた。
「水軍も優秀です」
「そうだな」
「農業も優れているので」
「実にいいな」
「あの街が加わったことも大きいですね」
「実にな、しかもあの国は好戦的でもない」
 義青はカルタゴのこのことも話した。
「平和で豊かでいられてこれまでの立場でいられるならな」
「帝国に入ることもよしでしたね」
「そう見ていたが」
「実際にそうでしたね」
「よかった、ではな」
 それではというのだ。
「カルタゴはこのまま働いてもらう」
「商業に農業に精を出してもらいますね」
「そして富を生み出してもらう」
 そうするというのだ。
「こちらの技術も提供してな」
「より豊かになってもらう」
「水軍も頼りになるしな」 
 カルタゴはというのだ。
「実によかった」
「あの街が戦わずして帝国に加わり」
「それでな、では地中海の統治も万全にする」
「これからは」
「そしてその後でな」
 それからはというのだ。
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