第五話 ナイル川その八
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「所詮すぐにだ」
「壊れるというのですね」
「そうなるものだしな」
「だからですか」
「形あるものは必ず壊れる」
この考えも言うのだった。
「だからな」
「巨大な建築物は築かれないですか」
「そうしてきた、だが民は望むか」
「時として」
「ピラミッドもだな、あれはいいな」
ピラミッドについては義青も否定しなかった。
「農閑期の民の仕事になる」
「はい、ですから民達もです」
「喜んでいるな」
「エジプトでは」
「神の子であるファラオの墓を築けば」
その仕事に携わればというのだ。
「自身も死後です」
「生前の様に楽しく暮らせる」
「そうなりますので」
「ですから」
そのファラオであるラダメスが言ってきた。
「我々もです」
「ピラミッドを築かせてきたな」
「長きに渡って」
「そうだな、それはいいな」
「私もそう思います」
「では農閑期等仕事がない時にだ」
義青はそれではと話した、これまでそうした建築物は無駄だと考えていたが考えを変えたのである。
「そうしたものもな」
「築いていきますか」
「そうしよう」
こう言うのだった。
「灯台でもいいし神殿でもピラミッドでもだ」
「築いていきますか」
「神像もな、特にだ」
「特にといいますと」
「これまで城壁や街中や水路、堤防を築いてきたが」
それと共にというのだ。
「運河もだ」
「築かれますか」
「特にシナイ半島とエジプトの間にあるだ」
「スエズですか」
「細くとも徐々にな」
「運河を築かれ」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「エジプトから水路で直接航海を通りアラビア半島を西から東に回ってな」
「チグリス=ユーフラテス川の方にですか」
「来られる様にしたい」
こう言うのだった。
「今からな」
「あの地に運河とは」
「あの地に運河があると地中海からだ」
この海からというのだ。
「アラビアに海で行きやすい、それに将来だ」
「将来といいますと」
「この世界の地図は既に出しているな」
キトに話した。
「そうだな」
「はい、別の大陸のものまで」
キトは確かな声で答えた。
「義青様は出して頂いています」
「アフリカ大陸についてもな」
エジプトのあるだ、義青はキトに話した。
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