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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十八章―邂逅の果て―#1
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ー》:初期型ver.2】の設計図を手に入れて、ディルカリダ側妃の残した設計図と比較したい。変わっているところがあれば、その部分を分析する方が効率がいい。

 地下遺跡の研究施設になら残存しているかもしれないが────データは、区画固有の聖結晶(アダマンタイト)の方に記録されているようなので、今は検索することができない。

 現在、地下遺跡の【魔素炉(マナ・リアクター)】は最低限の稼働で、予備炉はすべて停止させている。

 そのために、この皇城に張られている【障壁(バリア・ウォール)】と、余った魔素量で起動可能なシステム以外は機能させていない。

 これは、先日の件で地中の魔素が少なくなっているという理由だけでなく────これまで、【魔素炉(マナ・リアクター)】は最低限しか稼働していなかったらしいので、稼働率を上げると皇都周辺一帯に影響が出ることを危惧してのことだ。

 ただ───【転移港(ポータル)】に施されている【隠蔽(ハイディング)】は停止させたので、あの魔導機構を活動させていた分の魔素を取り込むべく、稼働だけはさせ続けることになっている。

 漂う魔素量が増えれば、ヴァムの森の様相が変わってしまう。魔物や魔獣が増殖するのも問題だし、薬草類が採れなくなるのも困る。何より、低ランカーの稼ぐ手段が減ってしまう。

 本当は自然に任せるべきなのかもしれないが────おじ様も交えて相談した結果、皇都民や冒険者たちの生活に支障が出ることを考え、しばらくは現状維持することになった。

 そういうわけで、地中の魔素量がある程度回復したら、一時的に稼働率を上げて、あのセクションの聖結晶(アダマンタイト)を起動させてアクセスしてみるつもりだ。



 それにしても────ディルカリダ側妃とういう人は、本当にすごい人だったみたいだ。

 まだ精査できていないが、残されていた魔術式の種類は多岐に渡っている。

 施療院に設置されている、自己回復を促進させる魔術陣────あれも、ディルカリダ側妃が編み上げたもののようだ。

 これは、記述によれば────“ポーション”を作ることができなかったので、その効能を魔術で再現したとのことだった。

 それと、私がイルノラド公爵家と絶縁するために利用した絶縁状。あれに施されていた【契約魔術】もそうらしい。

 こちらは設計の過程も残っていて────どうも【認識妨害(ジャミング)】を元に創られたようだ。

 あの絶縁状を用意してもらったとき、『書かれた誓文の内容を強制的に守らせる』とおじ様に説明されて、どうやって守らせるのか疑問に思っていたけど────おそらく、対象者に強い暗示をかけるのだろう。

 他にも、蛇口やコンロ、トイレに施す魔導具に組み込まれる魔術
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