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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十八章―邂逅の果て―#1
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、それを抑えるべく何か策を講じたい』と記している。後述がないので、具体的にどんな策を講じたのかまでは判らないが────残されていた設計図の中に【魔力炉(マナ・リアクター):初期型ver.2】があった。

 初期型の【魔力炉(マナ・リアクター)】は、身体を形作る核───おそらく“遺伝子”に魔術核を書き込み、魂魄へと直接インストールされる。

 もしかして、ディルカリダ側妃は────これを利用してサリルの“体質”を抑え込んだ?

 それと────私が予想した通り、“氷姫”もディルカリダ側妃が編み上げたものだった。残っていた設計図の中に“氷姫”と同じ魔術式があったのだ。

 あの時代、エルダニア王国は大国カイバルスの脅威に晒されていた。
 ディルカリダ側妃とサリルはかなり親しい間柄だったようだし、それでなくとも恩人であろうディルカリダ側妃のために、サリルが疎んじていた本来の力を使おうと決意してもおかしくない。

 “氷姫”の魔術式には、初期型の【魔力炉(マナ・リアクター)】で抑制したサリル本来の力を引き出す仕掛けが組み込まれているのだとしたら────

 セレナさんの変貌も───セレナさんはサリルの体質を継いでいて、初期型の【魔力炉(マナ・リアクター)】によって抑制されている状態だったのを、“氷姫”によって一時的に本来の体質を取り戻しただけなのかもしれない。

 もし、あの【魔力炉(マナ・リアクター)】で抑制されるとセレナさんと同じように髪色が薄くなるのなら、【青髪の魔女】がサリルと結び付けられなかったのも納得できる。

 それから、サリルが疎んじていた───その“体質”が具体的にどういうものなのかも気になる。セレナさんは、スタンピード殲滅戦では漂う魔素をも操れたと言っていた。この“体質”についても調べる必要がある。

 レド様や私のように【現況確認(ステータス)】に何か記載されていることを期待して、セレナさんの【現況確認(ステータス)】を確認させてもらったけれど、特にそれらしい記述はなかった。

 ちょっと気になるのは、私の加護によって与えられたセレナさんの肩書が【聖女】ではなく“神子守”だったことだ。

 ディンド卿は【聖使徒】、ヴァルトさんは【聖騎士】だった。他の仲間たちとは何だか趣が違うような気がして、どことなく違和感がある。

 あれはどういった基準で割り当てられるのだろう。性質や能力が基準となるのなら、【神子守】であることも、セレナさんの“体質”とやらが関係している…?


 とにかく、セレナさんに異状がないか慎重に様子を見つつ────すべての事後処理を終えたら、“氷姫”と初期型の【魔力炉(マナ・リアクター)】を調べさせてもらおう。

 可能なら、別の【|魔力炉《マナ・リアクタ
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