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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十八章―邂逅の果て―#1
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をしているように見えたということで────結局のところ、私はまた、自分では無理をしていないつもりで、レド様や仲間たちに心配をかけてしまったのだ。

「心配をかけてごめんなさい───カデア、ヴァイス」

 私が素直に謝ると───カデアは表情を緩め、ヴァイスは甘えるように私の足に頭を擦りつけた。


 だけど────眠る前に調べ物ができないのは、ちょっと厳しいな。

 やらなければいけないこと───やっておきたいことが残っているのに、時間が足りなくて本当にもどかしい。

 地下調練場や“お城”の工房でなら、外部との時間をずらすことで多少の時間稼ぎはできるけど────持ち運ぶことができない作業も多い。

 私が調べたいこと────それは、“魂魄の損傷”に関することと、【青髪の魔女】についてだ。エルフという存在や【魔導巨兵(マギアギガス)】も気がかりだが、この二つは仲間の安否に係わる。

 それらの情報を求めて、ここ数日───私はノルンを通じて、地下遺跡の【記録庫(データベース)】を検索していた。

 しかし、【青髪の魔女】に繋がるような情報は引っかからず───“魂魄の損傷”についても、【記憶想起(アナムネシス)】を分析して得た以上の情報は得られなかった。

 魂魄に損傷を負った場合どういった影響があるのか────セレナさんが変貌する原因と悪影響はないのかが知りたいのに。

 状況が落ち着いたら、レド様、ジグ、レナス、それにエルの魂魄を調べさせてもらうことになっている。それで何か判ればいいけど…。

 セレナさんの方は───“氷姫”と、セレナさんの魂魄に直接インストールされているという初期型の【魔力炉(マナ・リアクター)】を詳しく調べさせてもらおうと考えている。

 地下遺跡と今回の状況を聴く限り、“氷姫”がトリガーである可能性が高い。それと、初期型の【魔力炉(マナ・リアクター)】────これも何か関係がある可能性がある。

 地下遺跡の制御を担っているあの聖結晶(アダマンタイト)の中に、ディルカリダ側妃が残したと思われる魔術式の設計図と記述を見つけた。

 ディルカリダ側妃は、どうやら魔術式を編み上げるのにあの聖結晶(アダマンタイト)を利用していたようだ。

 記述の方は、研究レポートというよりも日記に近く────プライバシーを覗き見ることに気が引けつつも読ませてもらったところ、毎日の出来事ではなく、ただ心情を吐露したいときにだけ書き記しているみたいな感じだった。

 その中にサリルという少女についての記述があって────やはり、ディルカリド家の始祖サリルは、“忌み子”の謂れの元となったサリルと同一人物で間違いないみたいだ。

 ディルカリダ側妃は、『自分の体質を疎むサリルのために
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