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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十八章―邂逅の果て―#1
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どう見ても、リゼラ様は働き過ぎです」

 思わず零れた私の言葉に対して、カデアがやんわりと咎める。

 まあ───確かに、普段よりも動き回ってはいたから、周囲にはそう映るかもしれない。

「でも、早いところ後処理を終えないと。まだまだ、やらなければならないことがあるのに────辞令式まで2週間を切ってしまいましたし…。大体、それを言ったらレド様も同じではないですか?ご自分だって休息をとられていないのに…」
「坊ちゃまは、お邸での事務作業も多かったですし、空いた時間にはきちんと休憩されていましたよ。リゼラ様はその間、解体や集落の撤去作業に行かれていたではないですか。通常通りに朝食や昼食の準備もなさって────就寝前には調べ物をされていたのでしょう?これでは誰だって心配にもなりますよ」
「え、私が寝る前に調べ物をしていたって、何で知っているんですか?」

 ノルンが言ったのかな。そういえば、私が無理しそうなときはカデアに報告するよう、レド様が命じていた───と思い出す。

「坊ちゃまからお聴きしました」
「………レド様から?」

 カデアの答えに、どっと冷や汗が流れる。

 つまり────レド様もご存知でいらっしゃる、と?

 い、いや────ちょっとノルンに検索してもらっただけで、大量の魔力を使ったわけではないから、レド様が心配されるような無理はしていないし────集中し過ぎて睡眠をとれなかったなんてこともなかったし…、今回は大丈夫だよね…?

 内心焦る私に、カデアが告げる。

「当分の間、ノルンは私のベッドで寝かせます」

 あ───これはアウトっぽい…。

「すまない───我が姫。我が、神竜の御子に報告したのだ」
「ヴァイスが?」
「そうだ。『我が姫と神竜の御子の逢瀬を邪魔しないこと』、『我が姫が無理をするようなことがあったら神竜の御子に報告すること』を条件に滞在を許可されたからには、報告しないわけにはいかなかったのだ」

 ヴァイスは、私が寝込んでいるうちにレド様の許可を得たらしく────精霊樹の森には帰らず、このお邸にずっと留まっていた。

 お邸にいるときは常時こうやって私の傍にいるが、レド様と過ごすとなると何処かへ行ってしまうので、それを許可する条件にしたのだろうとは思っていたのだけど────まさか、そんなことまで条件に入っていたとは…。

 な、何か────レド様による包囲網が、どんどん敷かれていっている気がする…。

「本当にすまない、我が姫」

 私が怒ったと思ったのか項垂れるヴァイスに、慌てて口を開く。

「それがレド様との約束だったのなら、仕方がないよ。だから、気にしないで───ヴァイス」

 それに、レド様に報告したということは、ヴァイスにも私が無理
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