第七百八十六話 海賊の食事その三
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「これじゃあどっちがいいかなんて」
「言うまでもないね」
「もうそうよね」
「生きたままの蛆なんて誰が食べたいのよ」
スターリングと蝉玉に話した。
「一体ね」
「だから流石にね」
「連合でも食べないでしょ」
「虫は食べても火は通すよ」
「蛆を食べてもね」
二人で話した。
「絶対にね」
「ましてや生きたままなんてないから」
「確かに中国じゅ蛆も食べるし」
トムも言った。
「連合全体で虫も結構食べるけれどね」
「コオロギとかイナゴとかカブトムシとかね」
「蝉もゲンゴロウも食べるけれど」
「全部火を通すわね」
「蜂の子だってね」
「ゆでたり焼いたり揚げたりで」
「そうした食べてるから」
だからだというのだ。
「生、生きたままはね」
「絶対にないわね」
「他の虫もそうで」
「ましてや蛆なんてね」
「気持ち悪いし実際に衛生的にも」
「よくないわね」
「そうだよ、そんな食生活なんて」
当時の海賊達のそれはというのだ。
「絶対にね」
「嫌ね」
「嫌だよ」
何があってもというのだ。
「何度も言うよ」
「そうよね」
「海賊をやっても」
それでもというのだ。
「食べるものはね」
「まともであって欲しいわね」
「蛆なんかね」
しかも生きたままのというのだ。
「そんなのはね」
「誰も食べたくないわね」
「そうだよ」
トムは言い切った。
「誰が食べたいのか」
「その衣食べることなんてね」
「なかったね」
「普通の場所はね」
「船でないとだね」
「それも遠い場所に行く」
「そんな船にいないとね」
さもないと、というのだ。
「なかったね」
「そうだったわ」
「それが普通だね」
「そうよ、それにね」
「それに?」
「いや、壊血病がどうしてなるかわかっても」
それでもというのだ。
「船に果物とか載せない人いたそうよ」
「えっ、それはまずいよ」
「それは陸地のお役人がね」
彼等がというのだ。
「果物のお金出すの嫌がって」
「ケチって」
「それでね」
そうであってというのだ。
「それでなのよ」
「果物積まなかったんだ」
「食べものの中にね」
「クックさんの後も」
「そうなのよ」
陸地にいて航海に出ることのない彼等にとっては船員の健康や命よりも金の方が大事だったということか。
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