第七百八十六話 海賊の食事その二
[8]前話 [2]次話
「キャベツにビタミンが豊富にあって」
「刻んでお酢に入れて漬ける」
「そうしたら保存がきいて」
「ビタミンも破壊されないからね」
「だからね」
そうした食べものだからだというのだ。
「壊血病にはね」
「最高にいいね」
「それをね」
ペリーヌはさらに話した。
「クックさん知ったのよね」
「ずっと壊血病のことを考えていて」
「どうしたらならないか」
「そうしたらだね」
「果物を食べて」
「ザワークラフトも食べたら」
「ならないってわかったのよね」
「ドイツだね、ザワークラフトって」
トムは言った。
「名前そのままドイツ語だし」
「ええ、あっちの食べものでね」
ペリーヌもそうだと頷いた。
「あっちでザワークラフト食べる人は壊血病にならなくて」
「それで果物もだね」
「こっちは南国ね」
「欧州じゃなくてね」
欧州の多くの地域は寒冷で果物が育ちにくい、ルイ十四世がベルサイユ宮殿に多くのオレンジの木を植えようとして上手くいかなかった逸話もある。
「南国にあって」
「それでね」
「そっちでも果物好きな人は壊血病にならないから」
「果物も持って行って」
航海にだ。
「壊血病にならなかったのよね」
「そうだね」
「これってあれだね」
スターリングはその話を聞いて言った。
「経験論だね」
「やってみて、実験してみて」
蝉玉も言った。
「わかっていくのね」
「うん、それでね」
スターリングはそれでと話した。
「事象を見てもね」
「わかるのね」
「それでクックさんが実際にやってみたら」
「壊血病にならなくて」
「その通りだってわかったんだよ」
「まさに経験論ね」
「今も医学であるね」
「実際にやってみないと」
さもないと、というのだ。
「やっぱりね」
「わからないわよね」
「うん、他にね」
サンプルには見ればビールが発酵する前の麦芽汁もある。
「これもね」
「飲んだのね」
「けれどこっちはね」
「効果なかったみたいね」
「そうだね、まあこっちも飲んでると脚気にならないから」
「これはこれでいいわね」
「そうだね、こうした実際にやってみたことで」
スターリングはあらためて言った。
「壊血病にならなくなったから」
「よかったわね」
「そうだね」
「しかし、随分違うわね」
ペリーヌはフックの航海のメニューとそれまでの海賊のメニューを見て言った。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ