第百五十八話 デマコーグその四
[8]前話 [2]次話
「食べものだってね」
「地域によって色々あるのね」
「そうよ、むしろ日本以上にね」
「人は多いし広い国だし」
「それでよ、ただね」
「ただ?」
「中国人って自国の文化大事にするから」
それでというのだ、その歴史もありこの国は自国の文化に対する誇りの感情が非常に強いのである。
「特にお料理については」
「有名だしね、世界的に」
「だからね」
それ故にというのだ。
「若し料理をけなしたら」
「中国の人達怒るのね」
「本気でね」
ただ怒るだけでなくというのだ。
「そうなのよ」
「普通けなす人いないでしょ」
理虹はクールな顔で応えた。
「他の国のお料理なんて」
「少なくともあんたはそうね」
「そもそも中華料理って世界的に有名だし」
「それがけなす人いて」
中国の娘はみっくちゅじゅーちゅを飲みながら話した。
「けなされたらね」
「あんたも怒る」
「当たり前でしょ」
一も二もない返事だった。
「私も中国人だし」
「それでなのね」
「中華料理けなされたら」
その時はというのだ。
「本気で怒るわよ」
「中国の人達の秘孔ってことね」
「アメリカ人に人種のこと言うと怒るのと同じで」
「中国人にはお料理ね」
「文化の中でもね」
「まあ他の国のお料理けなすのは駄目ね」
理虹はその行為自体を否定した。
「そもそも」
「そうなるわね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「関西は昔納豆食べなかったのよ」
中国の娘に神妙な顔で話した。
「納豆っていうと甘納豆」
「お菓子ね」
「そっちだって思って」
それでというのだ。
「本当にね」
「あの糸引いた納豆は食べなかったのね」
「そうだったのよ」
「あれは抵抗あるでしょ」
中国の娘はクールに返した。
「やっぱり」
「匂いと外見が」
「物凄く臭くて」
そうであってというのだ。
「糸引いてるから」
「けれど食べたら美味しいでしょ」
「そうだけれど中国でもあまりね」
自分の祖国でもというのだ。
「あんなのないわよ」
「あるの」
「臭い、外見があれな食べものもね」
「あるのね」
「けれどね」
それでもというのだ。
「あまりないから」
「そうなのね」
「納豆レベルはね」
「レベルなの」
「あれでしょ、スウェーデンの」
「ああ、シュールストレミング」
「あれよりはましな位でしょ」
こう言うのだった。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ