非効率
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……そして、この肉体の死を、私自身で実験できるようにしていただけです」
ボンドルドがそう告げると、彼の仮面が淡い緑に光出した。
あたかもボンドルドの意思と直結しているかのように、ボンドルドの体はだんだんと高熱を帯びていく。
「自爆するつもりかい? 生命が命を投げ打って、それで何の目的を果たすのかな?」
「目的? そうですね、探求心とでも言いましょうか?」
ボンドルドの仮面が、より強い光を放つ。
白い魔法使いは首をかしげた。
「人間が、研究のために自死を選ぶというのかい? そんな大切な者のためでもない、何かを得られるわけでもない研究のためだけに? 全くわけがわからないよ」
「訳が分からない、ですか。ええ、そうでしょうね」
ボンドルドは、より強く白い魔法使いにしがみつく。
白い魔法使いは特に抵抗するわけもなく、ただじっとボンドルドの顔を見つめていた。
「ああ、キュゥべえ。あなたにはわからない……実に可愛いですね」
「何で……何でアンタまで!」
ハルトは赤い眼になりながら叫ぶ。
痛む体を半分怪物にし、キメラを抱きかかえて、大きく後ろに退避。
その際、ボンドルドの仮面がハルトの目と合う。
はたして、その黒い仮面の下で何を考えているのか。そんなこと、人間でもないハルトには分からない。
そして。
「さあ、刮目して味わいなさい。私の最高の実験を」
そして、地下の実験室を破壊し尽くす爆発が生まれた。
キメラの盾になるよう、ハルトは身を固め。
誰も彼もが視界を失う中、ただ一人。
えりかだけは、確信していた。
自らの三画満ち足りていた令呪が消滅したことを。
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