非効率
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して、微動だにしないボンドルドと白い魔法使いとの距離が、徐々に縮まっていく。
「くっ……ああああああああああああああああああ!」
『フレイム ドラゴン ボー ボー ボーボーボー』
ハルトは叫びながら駆け出す。
回り込むと同時に変身、フレイムドラゴンとなり、白い魔法使いへ跳び蹴りを放つ。
白い魔法使いは難なくそれを受け流し、えりかと並ぶウィザードへ吐き捨てる。
「君には用はないと言ったはずだけど?」
「コイツには……償わせる。結梨ちゃんを、元に戻させる……!」
「そこの合成獣のことかい?」
白い魔法使いは首を傾け、結梨だった生物を見下ろす。結梨だった生物は、戸惑うように白い魔法使いとボンドルドを見比べており、自らの身に起きたことさえも理解していないようだった。
「見たところ、ホムンクルスをベースに合成し直しているね。完璧に一つの生命体として完成している。それはもう、キメラという一つの生物だね」
「……」
「そもそも、なぜそこまで関係のない生命体のために自身の生存を危険に晒そうとするんだい? 増してや、今の君の心は、完全にボンドルドを恨んでいる。それなのに、今は彼を背にしている。全くわけがわからないよ」
白い魔法使いは吐き捨てながら、ハーメルケインを向ける。
「まあ___君自身が敗北を望むのなら、仕方ないね」
「っ!」
そして振るわれるハーメルケイン。
長く、鋭い斬撃は、いともたやすくウィザーソードガンを弾き飛ばし、ウィザードの体を切り裂いた。
「ぐっ!」
さらに、怯んだウィザードへ白い魔法使いは蹴りを放つ。
ウィザードが転がっている間に、白い魔法使いはえりかとボンドルドへ足を向ける。
「行かせない!」
『バインド プリーズ』
魔法陣から発生した鎖が、白い魔法使いを縛り上げようと飛び出す。
だが、白い魔法使いはハーメルケインを横向きにする。横笛となったハーメルケインで音を奏でると、音はそのまま障壁となり、ウィザードの魔法を防いでいる。
「ぐっ……だったら!」
ウィザードは、即座にウィザーソードガンの手を開く。
『フレイム シューティングストライク』
炎の弾丸。
ドラゴンの顔の形をした弾丸が、そのまま白い魔法使いを飲み込む。
だが、白い魔法使いの音色は、それすらも防ぎ切ってしまう。ハーメルケインが振り回されると、炎の銃弾は完全に消滅した。
「そんな……っ!?」
「君のベルトを解析したと言っただろう? 君のものよりも性能の悪いものを作るはずがないじゃないか」
白い魔法使いは右手の指輪を掲げる。すると、白い魔法使いの指輪が、一瞬だけ淡い光に包まれる。
すると、彼が手にしていたはずのコネ
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