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Fate/WizarDragonknight
非効率
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その機能。それが、キュゥべえからも流れ始める。

『変身』

 そして、キュゥべえが告げたその言葉。ハルトが最も理解しているその事象が起こる。

『チェンジ ナウ』

 ワイズドライバーと重ねられた指輪より、オレンジ色の魔法陣が発生する。
 キュゥべえの前に、人間大の大きさの魔法陣が、ゆっくりとキュゥべえの体を通過していく。
 その魔法陣より現れたのは、やはり変身したキュゥべえ。だが、四つ足の小動物風の体から、直立姿勢の二本足となり、人間と同じシルエットとなったその姿は。

「白い……ウィザード……!?」
「いいや。この姿に、名前など必要ない。白い魔法使いでも構わないよ」

 キュゥべえが変身した、キュゥべえの声を持つ指輪の魔法使い。
 それに名を付けるならば、その通り、白い魔法使いこそが相応しい。
 白い魔法使いは、作業のように指輪を右手に取り付けた。

『ルパッチマジックタッチ ゴー ルパッチマジックタッチ ゴー』

 ワイズドライバーが鳴らす、やはりウィザードのそれよりも低い呪文。それが呪文詠唱なのは、ハルトが誰よりもよく知っている。

『コネクト ナウ』

 発動した、湾曲の魔法。ハルトのものと同じく、それはどこか離れた場所に繋がった。白い魔法使いが魔法陣より取り出すのは、ウィザーソードガンよりも長く、細い長笛。ただ一つ、その先端には金色の刃が取り付けられていた。
 ハーメルケイン。
 その刃をボンドルドに向けた白い魔法使いは、じりじりと近づいていく。
 その意図を察したハルトは、拳を強く握る。

「や、やめ……」

 やめろ。
 白い魔法使いを止めようとする言葉が、最後までハルトの口から出てこない。結梨を実験の材料として利用したボンドルドを守るための変身を、体が拒んでいる。
 だが。

「させない!」

 叫ぶえりかが、ハルトよりも先に飛び出す。
 彼女のshooting starが、大きくうねり、ボンドルドの刃を防ぐ。

「シールドレイ!」

 えりかの盾は即座に形状を変化。青い光を放ち、白い魔法使いをボンドルドから引き離す。
 だが、離れたといっても、それはダメージによるものではない。白い魔法使いは、ハーメルケインでえりかの光を弾き、自らの意思で後退したにすぎない。

「シールダーの防御力は流石に参加者随一だね」

 白い魔法使いは全く体に動きを示さないまま、えりかの盾を見つめる。

「まあ、君の妨害が入ることは予想できていたことだ。シールダーごときでは、僕に勝つことはできないよ」

 えりか自身も、白い魔法使いの言う通り、決め手がないことを自覚しているのだろう。
 一歩ずつ迫ってくる白い魔法使いに対し、えりかは後ずさることしかできない。そ
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