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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第240話:傲慢の芽を摘んで
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 ワイズマンにより連れ去られた未来の行方は用として知れなかった。弦十郎は、動かせるスタッフを総動員して草の根分けてでも探し出そうとしてくれたが、やはり魔法という超常の力を前にしては単純なマンパワーでは太刀打ちできず、結局未来は行方不明と言う状況となってしまっていた。

 この事態に、颯人達魔法使いも手をこまねいていた訳ではなく、寧ろ魔法はこちらの領分だと言わんばかりに積極的に捜査に参加。使い魔を各地に放ち、怪しい所を徹底的に捜索していた。

「とは言え、海外に逃げられたら面倒なんてもんじゃないんじゃないか?」

 未来捜索の為放った使い魔達の様子を眺めながら、颯人は徐にそんな事をぼやいた。彼がそう思うのも無理はない。何せジェネシスは以前の颯人達同様、世界のあちこちに隠れ家を構えているのだ。この世界には前人未到の場所が幾つもある。そんな所を探して虱潰しにするのは、魔法であっても年単位の時間が掛かるのは想像に難くない。しかも、必ずしも隠れ家がそう言った場所にあるとは限らないのだ。今回のシャトーの様に、思わぬところに拠点を構えていてもおかしくない。

 因みにそのシャトーであるが、騒動が収束したあと改めてS.O.N.G.により調査が行われた。が、内部は予想通りもぬけの殻であり、手掛かりになりそうなものは何一つ残されてはいなかった。

 途方もない捜索になりそうな予感に、颯人も胃が重くなるのを感じずにはいられない。しかし輝彦はと言うと、そんな彼の意見に対して否と答えた。

「いや……少なくとも日本を出てはいないだろう」
「何でまた?」
「魔法はともかく、技術設備に関しては相応の場所が必要だからだ」

 未来は恐らくダイレクトフィードバックシステムの改良型の様な物で操られているのだろうと言うのが、S.O.N.G.技術班の見解であった。先の戦闘でクリスが見た未来の背中に取り付けられていた装置。あれをウェル博士に見せた所、確証はないが高確率でダイレクトフィードバックシステムに間違いないとの事。
 しかしその装置を取り付けられた未来は、完全に操られたと言う感じではなく何やら抗っていた様子。洗脳は完璧と言う訳ではないのだ。つまり、その洗脳を完璧なものにする為に設備や技術を伴う場所に連れていく必要があると言う事。

 さて、今現在そんな設備を用意できる組織と言えば…………

「アメリカ……は、今は無理か。ロスアラモスもジェネシスがメチャメチャにしたばかりだし」
「欧州はパヴァリアが幅を利かせていた影響でジェネシスが身を寄せられる場所は無かった筈だな」
「そうだ。そうなると、考えられるのは……」
「……ここ、か」

 そう最終的に行き着く場所は、この日本国内。もっと言えばそう言った技術に熱心に力を注いでいるのは、風鳴機関と言う事
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