暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第240話:傲慢の芽を摘んで
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を上げられただけで引っ込めた。配下の制御が出来ているワイズマン達ジェネシスの姿に、訃堂は面白くなさそうに鼻を鳴らした。。

「よく躾けられた犬よの。羨ましい限りじゃ」
「そう言う自分は、飼い犬に逃げられたと言ったところかな?」

 訃堂がヴァネッサ達3人に仲介を最中接触を図っていた事はワイズマンも知っている。大方ジェネシスの弱みでも握って取引を有利にしようと考えつつ、適当な所で切り捨てるつもりだったのだろう。しかしその計画は、アリスが居た事で完全にご破算となった。神の力に頼る必要が無いのならば、ジェネシスにも訃堂にもつく必要はない。ヴァネッサ達は自分を虐げ見下し、使い潰そうと目論むワイズマンと訃堂から上手い事逃げおおせたのである。

「元の飼い主は其方であろう。であれば、飼い犬に逃げられたのもまた其方ではないか?」
「これは一本取られた。ともあれ、一番欲していたものは手に入れられたのだから、良しと言う事で」

 そう言ってワイズマンが訃堂の視線の先を追えば、そこに居たのは彼らにより連れ去られた未来であった。何らかの容器の中に浮いた黒いドレス姿の未来の目は固く閉ざされ、その背には項から背中の中程まで伸びた新型のダイレクトフィードバックシステムにコードのような物が伸びている。

「……進捗は順調で?」
「左様。調整が済めば、神の力は完全に我がものとなる。そうすれば、次世代抑止力の誕生よッ!」

 自慢気に語る訃堂を、ワイズマンが仮面の奥から見ている。仮面に隠れている為その表情を伺う事は出来ないが、よく見ると肩が僅かに震えているのが分かった。メデューサは主の肩が震えている事に気付きながら、それを口にする事はしない。

「しかしそうなると、やはりあの3人があちらに渡ったのは手痛いですな。この場所までは知らずとも、連中の口から我々の関係が明かされるのはほぼ確実。そう遠くない内に、向こうからこちらに仕掛けてくるでしょう」
「ならばどうすればいいか……其方等なら分かっていよう? この者が奪い返されては全てが水の泡なのだからな」

 つまりはワイズマン達で再びS.O.N.G.へ攻撃を仕掛け、全ての準備が整うまでの時間稼ぎをしろと言う事か。体よく使われていると言う自覚はあるが、このまま座して待つのは退屈だし何よりあちら側にイニシアチブを握られるのは面白くない。と言う事で、ワイズマンは訃堂からの要請と言う名の指示に快く従った。

「いいでしょう。その代わり、対価の生贄の件は頼みましたぞ、訃堂殿?」
「言われるまでもない」
「結構。それでは」
〈テレポート、ナーウ〉

 メデューサ共々、魔法でその場から姿を消すワイズマン。2人の姿が無くなると、残された訃堂はここで漸く体ごと振り返り先程までワイズマン達が居た場所を睨んでいた。そ
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