二巻
十一話
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いるだけというほど私達も薄情者ではないしな」
そうしてると、ドアからノックする音が。
「シャアさん、いませんの?」
セシリアの声だ。直ぐに目配せをすると、一夏とシャルルが動き出す。
「速く!隠れるんだ」
「えっと、こ、ここに……」
「なんでクローゼットに隠れる必要があるんだよ!ベッドで十分だろ!」
「わかったよ。じゃあ、えーっと」
そうして無事隠れることに成功したのをしり目に、私がドアを開けた。
「どうしたセシリア君」
「いや、まだ夕食を済ませていないのかと思って……あら、一夏さんにデュノアさんもいらっしゃったのですね」
ちらりとセシリアがシャルルと一夏を見る。
「……何しているのですの?デュノアさんの上から一夏さんが覆いかぶさるようになって」
「いや!……実はシャルルが風邪を引いててな。看病してやろうと思って」
「日本では看病をするとき覆いかぶさるのですの?無駄だと思うのですが……」
「今布団をかぶせた所なんだよ」
「あら、そうなのですの」
少しセシリアの興味が持っていかれている、まずい。
「そういえばセシリア君は夕食はとったのか?」
「まだですわよ」
「なら、一緒にどうかな」
そう言って一夏とシャルルの方をちらりと見ると、両方とも頷いている。
「でも、デュノアさんの看病は……」
「一夏がやってくれるらしい。まかせていいか、一夏」
「おう、行ってていいぞ。シャルルと俺の飯は後でとってくればいいし」
「だそうだ。ここは一つ、付き合ってもらえるか?」
「……はい、是非!」
私の言葉にセシリアは喜んだ様子で答えた。
「じゃあ、シャルル君の事は頼んだぞ一夏君」
「おう、まかせとけ」
そうして私は自室の外に出てドアを閉めた。
しかし、今回の事から想定するとこの世界の大人たちはだいぶ優しいのだなと思った。
一企業のみならずフランス政府、ひいてはIS学園まで巻き込んで一人の少女を守ろうとしている。
腐敗した地球連邦やザビ家が支配するジオン公国よりよっぽどいいと私は思った。
「……シャアさん?何か隠し事していません?」
ちょっと考え込んでいた隙を見てセシリアが聞いてくる。
まったく、女性の勘というのは恐ろしい。
「いや、特に何も隠し事は無い」
「ふぅん……」
そしてそのまま食堂へ。
少しきつい疑いの目線を向けられながら私はセシリアと主に歩いて行った。
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