二巻
十一話
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そして更衣室から出てくる一夏。
シャワー音が流れると、恐る恐るといった様子で一夏が口を開く。
「……なあ、シャア」
「……何かね」
一夏の話に思わず慎重に言葉を選んでしまう。
「シャルルの胸、結構でかかったよな……」
「ああ……」
「さらしとかで隠せるんだな、アレ……」
「女体の神秘だな……」
思った以上に馬鹿な言葉に、此方も馬鹿な返答をしてしまう。
男はいつもそうだな、と言うハマーンの幻聴が聞こえた気がした。
して、シャルルがあがった後。
私と一夏は変わり合いながらシャワーを浴びた。勿論シャルルへの監視は欠かさない。
そして我々は三人で小一時間向かい合っていた。
視線は交せない。ただ座っているだけだが視線や手足は挙動不審に陥っていた。
私はたまらずお茶を入れて来た。
「……飲むと良い」
「ああ、サンキューな」
「……ありがとう」
そうして一夏が湯呑を二つ受け取り、一夏がシャルルに渡そうとするのを後目に私は自分の湯飲みを手に取る。
「あっつ、あっつ。水!」
ばたばたと一夏が水道に駆け寄って来た。渡す際にお茶でもこぼしたのだろうか。
「ご、ごめん!大丈夫、一夏」
「ま、まあ。多分水にすぐつければ大丈夫」
「ちょっと、見せて……赤くなってる」
一夏はだいぶ冷静に見えるがシャルルは少しパニックに陥っているように見える。
「直ぐに氷を貰ってくるからね!」
「待て、その姿じゃ流石にまずい!後で自分でとってくる」
実際、シャルルの姿はいつもと同じシャープなラインのスポーツジャージなのだがばれてしまったからなのか胸を隠していない。豊満なそれがこれでもかと自己主張している。
「でも……」
「それより!その、胸があたっているんだけど……」
「!!!」
シャルルがどうやら自分の体勢を理解したようで一気に飛びのく。
「…………」
シャルルが年相応の抗議の目を一夏に向けた。
「心配してたのに、一夏のえっち」
「なぁっ!?」
シャルルの言葉に不満げな声を上げる一夏。私はそれを見て思わず笑ってしまった。
その笑いは伝播し、一夏、シャルルへと渡る。先ほどまでの緊張がほぐれ三人で大笑いしてしまった。
「あはは、はーっ。笑った笑った。さて、そろそろ僕の事聞きたいよね。今までごめん、正直に全て話すよ」
「いいのか?」
シャルルの言葉に私が返す。それがどういう意味を持っているのか彼女にはわかるはずだ。
「いいの、別に」
そう言ってシ
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