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トップシークレット☆桐島編 〜お嬢さま会長に恋した新米秘書〜
彼女に出会えたことの意味 B
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きたい」と言いだした。

「ちょっと時間かかるかもしれないけど、心配しないで待っててね。じゃあ、行ってくる!」

「はぁ……、どうぞ。行ってらっしゃい」

 彼女はその後手近な女性用化粧室へ駆け込み、戻って来られるまで七〜八分くらいかかった。
 僕が思うに、多分そこで体のムラムラを解消されていたのだろう。戻ってこられた時、スッキリした顔をされていたから。僕があんな余計な質問をしたせいで……と思うと、何だか申し訳ない。

 その頃大人気だった恋愛映画のチケットを購入して二人で観た。R18指定作品だったが、絢乃さんも十八歳になっていたので何ら問題はなかった。ただ、濃厚なラブシーンが多かったので、ちょっと気まずくなったことだけは確かだ。いつか、僕も彼女とそういう行為に及ぶのかと思うと……。
 絢乃さんはといえば、映画のあとにまたムラムラきたらしく、再び七〜八分くらいトイレにお籠りされた。


   * * * *


 翌日の土曜日は、絢乃さんに会わなかった。
 実はこの少し前から、僕には新たに始めたことがあったのだ。(しも)北沢(きたざわ)にあるキックボクシングのジムに通っていたのである。
 元々は、彼女と体の関係にまで進んだ時に貧相な体つきだとちょっとみっともないから、少しでも逞しくなりたいと思って始めたことだったが(そんなにいうほど貧相でもないのだが、女性はやっぱり逞しい男の方が好きだろうと思うので)、この頃の目的は「彼女を守りたい」に変わっていた。
 実はこの前日の夜、実家で兄からあるものを見せられていたのだ。それはSNSにアップされた、写真付きのある投稿だった。

『――貢、ちょっとこれ見てみ? これヤバくねぇか?』

 僕の部屋にやってきた兄が、難しい顔で僕に自分のスマホを突き付けてきた。 

『うん、何だよ? ……ちょっ、これって』

『な、ヤベぇだろ?』

 僕も顔をしかめたその投稿は、豊洲で隠し撮りされたらしい僕と絢乃さんの2ショット写真が添付された誹謗中傷だった。


〈篠沢グループ会長のスキャンダル発覚! 隣に写ってるのは彼氏か!?
 大してイケメンでもないのに逆玉を狙った不届き者! 男のシュミ最悪!!
 #この男見つけたら制裁 #この男は社会のゴミ                〉 ……


 『何だよこれ……。めちゃめちゃ悪意あるじゃん。誰だよ、こんな投稿したの』

 隠し撮りされたことも許せなかったが、この悪意ある投稿内容にも怒りと恐怖をおぼえた。この頃はあまり拡散されていなかったが、約二ヶ月後にはとんでもないことになっていた。

『――なぁ、貢。絢乃ちゃんってSNSやってんのか?』

『いや、やってないけど』

 兄がどうしてこんなことを訊
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