第3部
グリンラッド〜幽霊船
エドの正体
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て、ルークに知られるわけには行かない。私は平静を装って答えた。
「それで、あんたはこれからどうするんだ?」
話が一段落したところで、ユウリは人間に戻ったエドに尋ねた。
「そうですね……。今更賢者として生きるには年を取りすぎました。新しい賢者もいることですし、ここでのんびり余生を過ごそうかと思います」
エドが実は三賢者だということは、里の人たちのほとんどが知っている。エドが人間だったころ住んでいたアープの塔も、私たちが来る前までは魔物の巣窟になっており、たびたびジョナスをはじめスー族の戦士たちが魔物を退治しに行っていたそうだ。なので、エドが人間に戻ったとしてもきっと里の人たちは彼女を受け入れてくれるだろう。
「これから私はアナックのところに行って事情を説明してきます。けれどいきなり見知らぬ人間がやってきたら、彼も驚くでしょう。ユウリさん、申し訳ないのですが、証人として一緒について来てくれませんか?」
「ふん、随分と頼りない三賢者だな」
文句を言いながらも、ユウリはエドとともにアナックさんのところについていくことになった。
「えーと、私たちはどうしようか?」
私が誰にともなく聞くと、皆しばらく考え込んだ。
「あ、そうだ! ジョナりんがうちに来てくれって言ってたよね。ユウリちゃんが戻ってくる間に、行ってみようよ!」
「そーだな。あいつの奥さんがどんな人か気になるし」
シーラの思いつきに、ナギはもちろん私やルークも頷いた。どうせ用が済んだらすぐに帰ってしまうユウリのことだ、せめてここを離れる前に挨拶ぐらいはして行きたい。そうと決まれば早速、皆でジョナスの家へと向かうことにした。
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