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金木犀の許嫁
第五十一話 自然の知識その十

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「あの人のことを詳しくです」
「知ることですね」
「何かとあった人ですから」
「舞姫のお話とか」
 この代表作は実は鴎外がドイツ留学での経験を実際に書いたものだと言われている、別人のものという説もあるがだ。
「お子さん達のお名前に」
「今でいるキラキラネームですね」
「はい、それに」
 さらに言うのだった。
「立身出世にこだわり」
「それもかなり」
「しかも脚気のこともあり」
「問題の多い人でしたね」
「そのことをです」
 幸雄から見て目をキラキラさせて彼をチートだの言っている文学女子にというのだ。
「言いたいです」
「実はこんな人だったと」
「そう思って仕方ないので」
 だからだというのだ。
「私はあの人関連の史跡はです」
「福岡に行かれてもですね」
「行きません」
「そうなんですね」
「森鴎外の作品は嫌いではないですが」
 それでもというのだ。
「その行いや人格はです」
「お好きでないですか」
「左様です」
「何かとですよね」
 白華も言ってきた、今は彼女も黄色い西瓜を食べている。
「あの人は言われていますね」
「そうですね」
「小説家、翻訳家としては功績があっても」
「医師としてはです」
「脚気のことがあって」
「出世にこだわり」
 死ぬ間際まで男爵の爵位を望んでいたという。
「家庭もです」
「マザコンでファザコンでしたね」
「そうした人で」
 実際にというのだ。
「調べていますと」
「好きになれないですね」
「そうした人をです」
「ミーハーにキャーキャー言う人は」
「どうかと思います」 
 そうだというのだ。
「実に」
「そうですか」
「確かに軍医としてエリートで」 
 医学の先進国と言われたドイツに国費留学している、それだけでも彼が当時の日本ではそういった者であることがわかる。
「翻訳家、小説家としてです」
「名声を得て」
「凄いことは事実ですが」
 それでもというのだ。
「その人格や人生を見ますと」
「褒められないですね」
「そうした一面も知って欲しいです」
「ミーハーな文学女子には」
「はい、もっともよく知れば」
 森鴎外自身をというのだ。
「私の様にです」
「よく思わなくなりますね」
「そうなる人が多いでしょう」
「脚気がですね」
 真昼はどうかという顔で話した。
「一番問題ですね」
「実際陸軍でもです」
 彼が軍医であったこの組織でもというのだ。
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