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ドリトル先生の長崎での出会い
第七幕その五

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「お子さんも中尉達も」
「僕も気になっているんだ、幸せであって欲しいよ」
 先生も言ってきました。
「お子さんもご夫婦もね」
「中尉は最低な行いをしたけれど」
「せめてお子さんと奥さんと一緒に幸せになって欲しいわ」
「特にお子さんを大事に育てて欲しいよ」
「何があってもね」
「そうだね、そして子孫の人がいれば」
 お子さんのです。
「今はそうした暗いご先祖達のことは置いておいてね」
「そうしてだね」
「幸せに生きて欲しいね」
「原罪とか思わずに」
「その人はその人で」
「だってその人がやったことじゃないんだよ」 
 先生は皆にお話しました。
「例えば原爆を落としたトルーマン大統領に罪があっても」
「ああ、お孫さんが来日してね」
「お祖父さんのこと言ってたね」
「そうしたことがあったのよね」
「この人に罪はないから」
 全くというのです。
「だからね」
「気にしなくていいね」
「犠牲者のご冥福を祈ってくれたら」
「それでね」
「そのことと同じでね」
 それでというのです。
「中尉、お子さんの子孫の人達も」
「今生きておられても」
「気にすることはないね」
「蝶々さんのことは」
「そうだね」
「そう思うよ」
 こう言うのでした、そしてです。
 先生はまたイルミネーションを観てでした、そうしつつビアホールでビールも楽しみます。そうしてでした。
 その日は休みました、そしてです。
 朝ホテルのビュッフェの朝食、サラダやオムレツ、ゆで卵、ソーセージにハム、フルーツにヨーグルトそれに飲みものにグラスのシャンパンがあるお食事を楽しんでいるとその時に一緒に食べている皆に聞かれました。
「昨日の夜だけど」
「その人中尉さんの感じだったんだ」
「ピンカートン中尉の」
「そうだったんだ」
「よく舞台で出るね」
 そうしたというのです。
「中尉みたいだったよ」
「若い海軍士官さんだね」
「白い軍服を着ていて」
「背が高くてすらりとしていて」
「美形な」
「そうだったんだ、何処かね」
 先生はサラダやソーセージを食べつつお話しました。
「そんな風だったんだ」
「成程ね」
「流石にご本人じゃないにしても」
「中尉みたいだったんだ」
「そうだったのね」
「この街は世界中から人が来るから」
 観光客の人達がというのです。
「それでね」
「実際白人の人も多いしね」
「お客さんに」
「今この中にもおられるしね」
「先生だって白人だしね」
「だからね」
 それでというのです。
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