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トップシークレット☆桐島編 〜お嬢さま会長に恋した新米秘書〜
新しい日々の始まり B
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そして、翌日の昼過ぎ。僕がアパートの部屋で、昼食のカップうどんを作ろうとキッチンでお湯を沸かしていた時に、スマホに絢乃さんから電話があった。
「――はい。絢乃さん、今日は株主総会、お疲れさまでした」
『うん、無事に終わったよ。――でね、桐島さん! わたし、新会長に決まったよ』
「本当ですか? おめでとうございます! では、僕の会長秘書拝命も無事に決まったということですね」
興奮ぎみに会長就任が決まったことを告げた絢乃さんに、僕はその一点を再確認した。これで僕の肩書きは絢乃さんの個人秘書兼、篠沢グループ会長秘書となったわけである。
『うん。明後日にも人事部から正式な辞令が下りると思う。というわけで改めて、これからよろしくお願いします』
僕は「はい」と頷いた後、総会の内容そのものについてお訊ねしてみた。すると、彼女はまだ興奮冷めやらない様子で語って下さった。
絢乃さんは会長の就任するうえでの心構えや高校生活との二刀流に挑むこと、お父さまのような会長を目指されることをスピーチで語られたそうだ。もちろん加奈子さんや、本部の執行役員も務めていらっしゃる村上社長も援護に入って下さったらしい。特に社長の応援演説が圧巻で、株主の皆さんの心を打ったのだろうと。
一方、絢乃さんの大叔父にあたるという方のスピーチでは、自身はご子息に頼み込まれて仕方なく会長候補に立ったが、本当は引き受けたくなかったのだと打ち明けたそうで、年功序列だけを理由にして擁立されたことを心から迷惑がっている様子だったと絢乃さんはおっしゃった。
当然、決選投票の結果も火を見るよりも明らかで、絢乃さんが大差をつけて勝利されたのは言うまでもない。
そして、彼女は本社幹部の人事にも言及されていて、村上社長の留任・広田室長の常務就任および兼任・山崎
修
(
おさむ
)
人事部長の専務就任および兼任が決まったそうだ。
普通なら(何が普通なのか、と訊かれても返事に困るのだが)、常務と専務の人選は逆になるのではと言われそうだが、あえて女性である広田室長の方を上役に選ばれたところが何とも絢乃さんらしい。それが女性ならではの発想なのか、はたまたまったく別の考えからなのかは僕にも分からないが。
「そうですか、社長が味方について下さったのは大きかったですね。村上社長は確か、お父さまの同期組でしたよね。営業部でいいライバルだったとか」
これは社内でもけっこうな語り草になっていて、源一氏が村上氏を社長に就任させたのは、恋に破れた彼への罪滅ぼしだったとか何とか。
『そうなの。彼を社長に任命したのもパパだったんだって。若い頃はどっちがママのハートを射止められるか争ってたらしいよ』
僕はその逸話をすでに知っていたが、初耳だったふりをして「へぇ……、そんなこ
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