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トップシークレット☆桐島編 〜お嬢さま会長に恋した新米秘書〜
リミット B
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者として指名した』
『はい、存じております』
ということは、これは源一会長直々のご指名なのだ。絢乃さんが会長になったら、それすなわち僕が会長秘書に就任するのだ、という。
『うん、それなら話は早い。桐島君、ぜひとも絢乃の支えになってやってくれ。君になら安心してあの子を任せられる』
『はい。僕などでよろしければ』
それは僕にとっても願ったり叶ったりだった。……が、会長のお話にはまだ続きがあった。
『そうかそうか。だがね、桐島君。それは仕事のうえだけの話ではないんだよ。……ひとりの男としても、絢乃に寄り添っていてやってほしいんだ』
『……は? と……おっしゃいますと?』
『いずれはあの子の伴侶となってほしい、ということだ。まぁ、君の意思だけではどうにもできないだろうがね』
それはそうだ。僕がそこで「承知しました」と言ったところで、結婚話は絢乃さんの気持ちを無視して進められないのだ。
『……はい。それは……すぐにどうこうできることではないので。ここでの返事は保留にさせて頂いてもよろしいでしょうか?』
『もちろんだよ、桐島君。じっくり考えたうえで、返事をしてほしい。が、私にはもう時間がないから、なるべく早い方がいいな。無理を言ってすまないが』
『……いえ、そんなことは』
『私にはもう分かっているんだよ。――君は、絢乃に惚れているんだろう?』
会長はいたずらっ子のような笑みを浮かべて、僕に特大の爆弾を投下された。
『…………はい』
僕は素直に認めた。この人にはどんなごまかしも通用しないような気がしたからだ。
『やっぱりそうか。私の目に狂いはなかったようだね。ではさっきの件、考えておいてほしい。――桐島君、仕事中に呼び立ててすまなかったね』――
――僕はこの日、源一会長にあの二つ目の依頼の返事をしようと思っていた。それも、絢乃さんのいないところで、会長と男ふたりだけになった時に。
「……桐島さん? どうしたの、なんかボーッとしてたよ?」
ふと我に返ると、前を歩いていた絢乃さんが僕を振り返り、不思議そうに首を傾げていた。
「ああ、いえ、何でもないです。――ところで今日、お父さまの具合は……? もう会場にいらっしゃるんですか?」
「まだ部屋にいるみたい。具合は相変わらずかな。気分がよければ顔出してくれるって言ってたけど」
「そうですか」
絢乃さんの表情が少し暗かったように見えたのは、きっと僕の気のせいではなかったと思う。彼女くらいの年代の女の子にとってはショックが大きかっただろう。自分の父親が、間もなく死を迎えようとしているなんて。精一杯強がったところで、そのショックが
和
(
やわ
)
らぐことはないはずである。
い
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