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有名人の吸血鬼
第六章
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「まただ」
「会いに来られますか」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「この店で話したならな」
「お話の後で、ですね」
「買わせてもらう」 
 酒等をというのだ。
「是非な」
「その時はお願いしますね」
「こちらもな」
 こうした話をしてだった。
 業平は店を後にした、その翌日池山は里中に業平の話をしたが里中はその話を聞いて目を丸くさせて言った。
「まさか本人さんが出て来てね」
「敢えて言うなんてな」
「もうね」
 それこそというのだ。
「思わなかったよね」
「全くな」
「そうだよね」
「ああ、けれどな」
「けれど?」
「イケメンでもな」
「吸血鬼になるとは限らないね」
 里中も応えた。
「そうだね」
「ああ、それはないな」
「考えてみたら天草四郎さんや森蘭丸さんが本当にイケメンか」
「わからないね」
「特に天草四郎さんはな」
 この人物はというのだ。
「言われてないよな」
「顔立ちが整っていたとはね」
「そうだよな」
「本当のところはね」
 里中はさらに話した。
「わからないね」
「肖像画はあってもな」
「実際はわからないよ、もっと言えば」
 里中はさらに話した。
「業平さんは凄いイケメンだったね」
「ああ」 
 池山もその通りだと答えた。
「びっくりする位のな」
「今と昔じゃ美的感覚も違うし」
「イケメンの基準も違うか」
「美人さんについてもね」
「そうだよな、だからか」
「当時美形と呼ばれた人も」
「俺達から見るとか」
「そうとも限らないよ」
「そうなんだな」
「うん、そうしたことも考えて」
 そのうえでというのだ。
「こうしたお話もね」
「話すことだな」
「うん、あと吸血鬼って東欧だとね」
 本場のこの地域ではというのだ。
「死体に悪霊が入って墓場から出て来るから」
「ああ、何か陰惨な姿なんだよな」
「ドラキュラ伯爵だって」
 吸血鬼の代名詞であるこのキャラクターもというのだ。
「原作だとタキシードにマントじゃないよ」
「格好よくないか」
「あれは舞台化されて」 
 ブラム=ストーカーの原作がというのだ。
「姿を消す演出で黒いマントに身を包んで」
「ああ、舞台を暗くしてか」
「その中に消える様にしてからで」
「原作は違うか」
「不気味な姿だよ」
「そうなんだな」
「カーミラは最初から美形でも」
 そうであってもというのだ。
「吸血鬼って実はね」
「陰惨な姿だな」
「優雅でも気品溢れるものでもないよ」
「キョンシーだって死体だしな」
「そう、闇の貴族とかいうイメージは」
「後になってか」
「そうなんだ」
 池山に話した。
「だから美形イコール吸血鬼も」
「今の俺達のイメージか」

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