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有名人の吸血鬼
第一章

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                有名人の吸血鬼
 吸血鬼といえば東欧だとだ、高校生の池山文士は言った。眼鏡をかけて挑発をパーマにしている面長の一七四位の背の痩せた男だ。
「他のところにはいないよな」
「いるよ」
 すぐにだ、友人で寺の跡継ぎ息子の里中金之助が言ってきた。面長の顔で細い目で黒髪を短くした一七〇位の中肉の少年だ。
「キョンシーだってね」
「ああ、あれもか」
「吸血鬼だしね」
「そういえばそうか」
「マレーシアにもいるし」
 この国にもというのだ。
「生首が内臓ぶら下げたままお空を飛んで襲い掛かって来るね」
「気色悪いな、それは」
「ペナンガランっているし」
 こうした吸血鬼がというのだ。
「あちこちにね」
「いるんだな」
「もう世界中にだよ」
「吸血鬼はいるか」
「東欧だけじゃないんだ」
 里中は池山に話した。
「本当に、だから日本にもね」
「いるんだな」
「そう、そしてね」
「そして?」
「太陽の光とか大蒜に弱いのは」
 吸血鬼の有名な弱点はというのだ。
「ごく一部の吸血鬼で」
「他の吸血鬼はか」
「お昼に活動する種類もいるし」
 そうであってというのだ。
「大蒜もね」
「平気か」
「あと人のお家に招かれなくても入られたり」
 そうであってというのだ。
「流れるお水もね」
「そっちも平気か」
「それで十字架も」
 吸血鬼のこの弱点もというのだ。
「あれキリスト教だから」
「キリスト教の国じゃないとか」
「何でもないよ」
「そうなんだな」
「だからその吸血鬼それぞれでね」
「弱点違うんだな」
「行動や習性もね」
 そういったものもというのだ。
「血の吸い方もね」
「牙で喉をがぶりとも限らないんだな」
「そうだよ、舌の先に棘のある管があって」
 そうであってというのだ。
「その管を人の喉元に突き刺して」
「血を吸う奴もいるか」
「そこはそれぞれだよ、それで日本にもいて」
 里中は池山にまたこう話した。
「首が飛ぶろくろ首なんかは」
「日本の吸血鬼か」
「そうであってね」
 それでというのだ。
「襲ってきて首筋に齧りついて」
「血を噴き出させてか」
「その血を吸うんだ」
「首が飛ぶろくろ首か」
「首が伸びる方は驚かすだけだけれど」
 こちらのろくろ首はというのだ。
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