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拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第2章 高校2年生
華麗なる一族? @
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こんな子だったら、さやかが叔父や
叔母
(
おば
)
の立場でもウザいと思うだろう。
「あら、そんなことありませんわ。……まあ、純也叔父さまが私のことをそう思われていたとしても、愛美さんにはきっとお優しいはずよ」
姪の珠莉相手ならともかく、恋人である愛美のことを彼が冷たくあしらったりはしないはずだ。
「そうだねー。だってあの二人、誰が見たってラブラブだもんね。――っていうか、アンタの方はどうなのよ?」
「どう、って?」
「ウチのお兄ちゃんと、だよ。連絡は取り合ってるんでしょ? クリスマスはムリでもさぁ、冬休みの間にデートするとかって予定はないワケ?」
さやかの兄・治樹と珠莉は一応交際を始めたらしい。二人が連絡を取り合っているところはさやかも愛美も見かけているけれど、二人で出かけるような様子はまだ一度も見られない。
「……特には何も。治樹さん、今は就職活動で忙しいみたいですし、私がおジャマしてはいけないと思って。それに――」
「それに?」
「多分、私と治樹さんの仲は、私の両親に反対されると思うから……」
「え……、マジで? 今時そんなことある?」
さやかは眉をひそめた。それが
昭和
(
しょうわ
)
の話ならあり得るかもしれないけれど、令和に今になってそんなことがあるんだろうか?
「私は一人娘なんですもの。父としては、跡取りとなる婿養子がほしいはずなの。でも、治樹さんは長男ですし――」
「跡取り……ねぇ。あんたも家の犠牲者なワケだ」
さやかの家は小さな会社だからそうでもないけれど、辺唐院家のような資産家一族には、未だに古臭いしきたりやら何やらが根深く残っているらしい。
「まあ、ウチはお兄ちゃんが長男だから継がなきゃいけないってこともないだろうしさ。お兄ちゃんさえよければ入り婿もいいと思うんだけどねー」
そもそも、治樹さんには家業を継ぐ気がないらしいので、それこそ本人の意思次第だろう。
「お父さんは継いでほしいみたいだけどね。まあ、ウチのことは気にしないでさ、珠莉は両親の説得頑張ってみなよ。別に今すぐ結婚するとかって話じゃないんだしさ」
結婚となれば、両家の問題になってくるけれど。まだ恋愛の段階でいちいちうるさく言われたら、珠莉だってウンザリだろう。
「……そうね。まあ、頑張ってはみますけど」
「うん。わたしも応援するよ、珠莉ちゃん。純也さんだってきっと味方になってくれると思うよ」
愛美も援護した。同じ一族の純也さんも味方になってくれるのなら、珠莉にとってこれほど心強いことはないはずである。
「ありがとう、愛美さん、さやかさん。私は本当に、いい親友に恵まれましたわ!」
珠莉がやっと笑顔になったので、愛美もさやかもホッとした。何
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