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拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第2章 高校2年生
華麗なる一族? @
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スコードもキチっとしてますの」

「ドレスコード……、ってどんなの?」

 辺唐院家のパーティーは、愛美が思っていた以上にお堅い集まりのようで、愛美はちょっと萎縮してしまう。

「そうねぇ……。男性はスーツにネクタイ・ネッカチーフ、もしくはタキシード。女性はカクテルドレスか和装。まあ、そんなところかしら」

「ドレスって……、わたしそんなの持ってないよ」

 愛美は絶望的な気持ちになった。

(スゴい……、セレブにはそれが普通なんだ)

 彼女が持っている服で一番上等なのは、オシャレ着として買ったワンピースだ。それでもパーティー向きではない。
 だからといって、ドレスなんて女子高生のお小遣いで簡単に買えるようなものでもないし……。

「あら。でしたら、おじさまにおねだりしてみたらいいじゃない。たまには甘えて差し上げないと、いじけてしまうわよ?」

「あ、そっか! その手があった! 珠莉ちゃん、ありがと」

 自立心の強い愛美は、これまであしながおじさん≠ノ何かをねだったことがない。ねだらなくても、自分の経済力で何とかできることはしてきたから。
 でも、今回ばかりはムリだ。いつもはおねだりなんてしない愛美からの頼みとあれば、あしながおじさん≠烽謔ルどのことだと思って聞いてくれるに違いない。

 そしてその正体が純也さんなら、なおのこと断るはずがない。大切な愛美のためなら、何でもしてあげたいと思っているだろうから。

「どうせならドレスだけじゃなくて、靴とかアクセサリーとか、バッグなんかもおねだりしちゃいなさいよ。一式そろえてもらえばいいわ」

「……珠莉ちゃん、オニ?」

 愛美はこの珠莉という人が怖くなった。実の叔父が相手だからって、これだけ好き勝手いえるなんて、なんという姪だろうか。

 ドレスだけでも結構な出費になるだろうに、靴やアクセサリーまで……。いくら彼がお金持ちだからって、さすがに彼のお財布事情が心配になってくる。

「まあ、いいじゃない。あなたのためなら、これくらいの投資はおじさまにとってはどうってことありませんわよ、きっと」

「そ……うかなぁ」

「ええ。叔父さまはそういう方なのよ。だから、大丈夫よ」

「……うん、分かった」

 愛美が「夕食から戻ってきたら、さっそくおじさまに手紙書くね」と言ったところで、さやかが珠莉に茶々を入れた。

「アンタさぁ、いっつもそうやって純也さんを困らせてたんじゃないのー?」

「えっ? 何のことですの?」

「欲しいものとかあった時に、叔父さまにねだりまくってたんじゃないの? そりゃウザがられるわ」

 当初、純也さんが珠莉のことを苦手にしていたと愛美から聞いたことを、さやかは覚えていたのだ。
 姪が
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