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拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第2章 高校2年生
疑いから確信へ A
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番の適任者だ。

「ええ、いいけれど。何ですの?」

「あのね、春に純也さんが寮に遊びに来た時のことなんだけど……」

 あの日からずっと、珠莉と純也さんの力関係が微妙に変わったと愛美は感じていたのだ。

「わたしがインフルエンザで入院してたこと、ホントは純也さんに話してないよね? あの時は話を合わせてたみたいだけど」

「……ええ、話していないわ。だから私もあの時、おかしいなと思ったの。でも、何か事情がおありなんだと思って、とっさに話を合わせたのよ」

「やっぱり……」

(あの時の引っかかりの原因はコレだったんだ……)

 愛美は合点がいった。あの時、彼女の様子がおかしかったのには、こういう事情があったらしい。

「それでね、私はピンときて、叔父さまを問いつめましたの。『愛美さんの保護者のおじさま≠チて、純也叔父さまのことですわよね?』って。そしたら、叔父さまは渋々ですけれどお認めになりましたわ。『どうして分かったんだ?』って」

「そうだったんだ……」

 珠莉は、叔父が愛美のあしながおじさん≠セということを知っていたのか……。

「だから珠莉ちゃん、あれからわたしに協力的になったんだね。ありがと」

「……愛美さんも、もしかして気づいていらっしゃるんですの? おじさまの正体に」

「うん。でもね、わたしは気づいてないフリをすることにしたの。だから純也さんの方から打ち明けてくれるまで、わたしからは訊かない」

 彼は愛美を(あざむ)いていることを心苦しいと思っているだろうから。いつか良心の()(しゃく)で、打ち明けてくれる時がくるだろう。――彼はそういう人だから。

「そうですの。……まぁ、それがいいかもしれませんわね。お二人のためには」

「……うん、そうだね。珠莉ちゃん、ありがと」

 愛美としては、苦しんでいる純也さんをこれ以上追い詰めるようなことはしたくなかったので、珠莉からそう言ってもらえてホッとした。

「叔父さまは、本当に分かってらっしゃらないのかしら? 愛美さんに正体を見破られていること」

「多分……ね。気づかないフリができるほど器用な人じゃないもん」

 姪の珠莉よりも、恋人である愛美の方が彼の性格を熟知しているというのもおかしな話だけれど――。

「――それにしても、さやかちゃんは大変だね。二学期始まって早々、部活なんて。お昼ゴハンに間に合うように帰ってくるとは言ってたけど」

 今この場に、さやかはいない。彼女が所属する陸上部はインターハイの反省会をやっているのだそう。
 ミーティングだけなので練習があるわけではないけれど、二学期初日に集まらなければならないのは確かに大変である。

「その点、私たち文化部はいいで
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