暁 〜小説投稿サイト〜
拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第2章 高校2年生
疑いから確信へ A
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はわたしと二人でいる時、一人称が「僕」から「俺」になります。それは珠莉ちゃんと同じように、わたしにも心を許してくれたからだそうです。そしてわたしも、彼相手だと敬語抜きで話すことができるようになりました。
彼がここにいる間、屋根裏部屋はわたしと彼が人目を忍んで二人で過ごせるいいデート場所になりそうです。とはいっても、この家にいる人たちみんな、わたしが純也さんとお付き合いを始めたことを知ってるんですけどね(笑)でも、善三さんや天野さんの前でキスするわけにはいかないから……。
おじさま、もしかして今いたたまれない気持ちになってますか? ノロケ話はこれくらいにしておきますね。
話は変わりますけど、わたしが「球技が得意」という話が出たので、おじさまにお伝えしたいことがあるんです。
〈わかば園〉にいる、小谷涼介君っていう男の子をおじさまはご存じですか? わたしの二つ年下で、サッカーを頑張ってる子なんですけど。
リョウちゃんはご両親から(多分、お母さんからの方がひどいのかな)のネグレクトによって施設に来た子でした。施設に来てからは元気になりましたけど、五歳で〈わかば園〉に来た時にはゴハンもちゃんと食べさせてもらってなかったのかすごくガリガリで、わたしもショックでした。
その子のご両親は、園長先生にお説教されて心を入れ替えられたそうで、何度もリョウちゃんとの面会を望んでるんですけど。リョウちゃん本人がご両親のことをものすごく恨んでるので会いたがらないんです。
そんな彼も今年中学三年生になって、進路の問題にぶち当たっているはずです。わたしがそうだったみたいに。
彼の実のご両親はこれ幸いと、引き取るって言い出すかもしれない。でも、サッカーを続けたいリョウちゃんの気持ちなんてきっと考えてくれないとわたしは思うんです。
だから、おじさまお願い。施設を訪ねる時、園長先生と一緒に彼の様子を注意深く見てあげて下さい。そして、彼が困ってたらどうか味方になってあげて下さい。そして……、これはできればですけど。彼のために、いい里親になってくれそうな親切なご夫婦を探してみてはもらえないでしょうか?
リョウちゃんはわたしの大事な弟の一人です。わたしも彼のことは心配だけど、わたしにできることはこれくらいしかないから……。
長くなっちゃってごめんなさい。奨学金が受けられるかどうかの連絡はまだ来てません。そろそろだと思うんですけど……。ではおじさま、おやすみなさい。 かしこ
八月十五日 午後十時過ぎ 愛美』
****
――それから五日後、純也さんの休暇が終わり、彼は東京へ帰ることになった。
「愛美ちゃん、この夏は一緒に過ごせて楽しかったよ。残念だけど、僕は帰らないと」
純也さんは
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