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拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第2章 高校2年生
疑いから確信へ A
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「純也さん、ここ天井が低いから頭をぶつけないように気をつけてね」

「うん、ありがとう。大丈夫だよ」

 彼は百九十cmもある長身なので、(はり)かどこかに頭がつっかえないかと愛美はヒヤヒヤしていたのだ。

「ここに最後に来たの、中三の夏休みだったかな。ここにある飛行機の模型はその頃に作ってたものなんだよ」

「へぇ……、そうなんだ」

 純也さんは部屋の隅に置かれていたグローブと野球のボールを手に取った。よく見たら、グローブは二人分ある。大きめのと、少し小さめのと。

「これも残ってたんだ。――昔はキャッチボールもよくやってたなぁ」

「キャッチボール? 誰とやってたの?」

 純也さんは夏休みの間しかここには来ていなかったはず。この地域に住んでいた同年代の男の子と仲良くなっていたのだろうか? それとも……。

「中学に入ってからは善三さんともやったけど、それまでは多恵さんと。愛美ちゃん知ってた? 多恵さんって学生時代はソフトボール部員だったんだって」

「えっ、そうなの!? 知らなかった」

「うん。球技だけじゃなくて、スポーツ全般得意だったらしいよ」

「へぇ……」 

 今はふっくらしていて、おっとりしている多恵さんが……。昔は細くて運動ができたなんて、愛美には想像がつかない。

「――純也さん、今日は二人でキャッチボールしませんか? いいお天気だし」

 せっかく()()()()を見つけたんだから、愛美も純也さんともっと遊びたい。そう思って提案してみた。

「いいけど、愛美ちゃんってキャッチボールできるんだ?」

「うん! 施設出身者をなめないで!」

 というわけで、今日は千藤家の広い庭の一画でキャッチボールをすることにした愛美と純也さん。外は真夏らしくカンカン照りだった。

「――愛美ちゃん、行くよー!」

「はーい!」

 ……パシッ! 純也さんが投げたボールは、見事に愛美のグローブに収まった。プロ野球選手ほどではないけれど、長身の彼の投球はそこそこ速い球だったはずなのに。

「うぉっ、スゴいなぁ」

「じゃあ、今度はこっちからねー」

 愛美の投球も、小柄な女子にしてはなかなかのスピード。コントロールもいい。純也さんはそれを華麗にキャッチして見せた。

「愛美ちゃん、なかなかいい球投げるねー」

「うん、まあね。施設にいた頃、野球やってる子の相手してたから」

「なるほどー」

 二人は大きめの声で会話をしながら、キャッチボールを続けていた。

「純也さんだってスゴいじゃないですか。まるで大谷(おおたに)選手みたい」

 愛美は彼のことを、メジャーリーグで大活躍している日本人選手みたいだと
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