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拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第2章 高校2年生
疑いから確信へ @
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見守ってくれてたんだって。
 そしてわたしは、そこで思いきって純也さんに告白しました。男の人に自分の想いを伝えるなんて初めてだったから、最初はどう伝えていいか分からなくて途中で詰まってしまったけど、でもちゃんと最後まで伝えられました。
 そしたらね、おじさま。純也さんもわたしに「好きだよ」って言ってくれたんです! 「付き合ってほしい」って! もちろん、わたしはOKしました。
初めての恋が、ついに実ったんです! やったぁ☆ わたし今、すごく幸せです!!
 そして彼は、なんと五月からわたしと付き合ってるつもりだったって言うんです! さやかちゃんからは「そうなんじゃないか」って言われてましたけど、まさかその通りだったなんて……! わたし、ビックリしました!
 夜九時ごろになって、わたしは純也さんのお部屋を訪ねました。公募に出す小説一作を、純也さんに決めてもらうためです。
 心配しないで、おじさま。純也さんは誠実な人だから、わたしが夜にお部屋を訪ねて行ってもいきなり押し倒すようなことは絶対にしません(わたしをからかって、あたふたするわたしを見て楽しんではいましたけど……)。おじさまは彼と知り合いなんだから、それくらい分かってますよね?
 わたしの小説に対する彼の評価は、本当に辛口でした。でも、一番最後に書き上げた短編のノンフィクションは「なかなかいい」って言ってくれたから、わたしはその原稿で挑戦することに決めました。明日、この手紙と一緒に郵便局で出してきます。
 それでね、おじさま。……これは、おじさまに打ち明けていいのか分からないんですけど。純也さんはわたしがお部屋を出る前に、わたしにキスしてくれました。もちろん、わたしにとってはファーストキスです。
 その後のわたしは幸せな気持ちと、心臓のドキドキとで顔が火照っちゃって、今もまだフワフワしてます。今夜はもう眠れない気がするんです。
 恋が実って、恋人ができるってこんな気持ちになるんですね。
 彼と一緒にいるとホッとして、彼になら何でも話せる気がします。
 これからはきっと、おじさまに手紙でご相談してたことを、純也さんに聞いてもらうことが増えるかもしれません。
 でもそうなったら、わたしとおじさまとの関係は、これまで築き上げてきた信頼関係は崩れてしまうのかな……。それはわたしも不本意なので、これからもちゃんとおじさまに手紙は送り続けます。
 この封筒の厚み、おじさまはビックリなさったんじゃないでしょうか? 純也さんが来て下さる前から、手紙を出せないままずっと書き溜めてたんです。もう一週間くらいかな? だから、だいぶ長い手紙になっちゃいましたね。
 それじゃ、そろそろおしまいにします。次はきっと、奨学金の審査の結果についてのお知らせになると思います。

    八月十三日    愛美
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