暁 〜小説投稿サイト〜
拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第1章 高校1年生
二学期〜素敵なプレゼント☆ @
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話になってる時に書き溜めておきました。
 豊かな自然、農園での生活風景、農作業、それから子供の頃の純也さんのこと。これを全部組み立てたら、「都会育ちの男の子が初めて暮らすことになった農園での冒険」のお話ができました。
 まだプロットができたところですけど、これから頑張っていい小説にします。
 書きあがったら、まずはさやかちゃんと珠莉ちゃんに読んでもらうことになってますけど、ぜひおじさまにも読んで頂きたいです。
 また進み具合をお知らせしますね。ではまた。    かしこ

    九月一日             愛美           』 

**** 


 ――それからあっという間に二ヶ月半が過ぎ、十一月の終わり頃。

「よしっ! 書けたぁ!」

 夕食後の部屋で、愛美は達成感の中、原稿を書いていたペンを置いた。

 授業の合間や夜の自由時間、学校がお休みの日に少しずつ書き進めていたので、原稿用紙三十枚分の短編を書くのに二ヶ月もかかってしまった。
 でも、かかった時間と引き換えに「いい作品が書けた」という満足感が得られるなら、この時間も無駄ではなかったと思える。
 文芸部の短編小説コンテストの応募締め切りは十一月末なので、何とかギリギリ間に合ったようだ。


『――ねえ。愛美は小説、パソコンで書かないの?』


 書き始めの頃、愛美はさやかからそう訊かれたことがある。

『今回のコンテストは手書き原稿のみの受け付けだったから。でも、普段はパソコンでも書くよ』

 愛美はそう答えた。
 部屋にはあしながおじさん≠ェプレゼントしてくれたパソコンがあるんだから、そのパソコンで執筆することもできたと思う。文章を書くことは、施設にいた頃にもうマスターしていたから。
 今回のコンテストではパソコンで書いた原稿はNGだったけれど、この先はパソコンでも小説を執筆していこうと思っている。


「――さて。コンテストに出す前に、二人に一度読んでもらおうっと」

 愛美は書き上げたばかりの原稿を手に、隣りの二人部屋へと向かった。
 それが書き始める前の親友たちとの約束だったし、自分では満足のいく作品になったと思っているけれど、二人の客観的な意見も聞いてみたいと思ったのだ。
 小説とは、人の目に触れて初めて評価されるものだから。今回のことも、今後小説家を目指すうえでのいいトレーニングになる。

 コンコン、とドアをノックして――。

「さやかちゃん、珠莉ちゃん。愛美だけど。入っていい?」

「愛美? ――いいよ。入んなよ」

 さやかの声で返事があったので、愛美はドアを開けて二人の部屋に入った。

「どしたの?」

「あのね、小説できたから。まずは約束通り、二人に読んでもらい
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