暁 〜小説投稿サイト〜
拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第1章 高校1年生
二学期〜素敵なプレゼント☆ @
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でも頼るわけにはいかない。――だから彼女は、「早く自立しないと」と思っているのだ。

「んもう! 愛美はいいコすぎるの! まだ子供なんだから、もっとワガママ言っていいんだよ? 『ツラい』とか『淋しい』とかさあ。あたしたちにはどんどん弱音吐いちゃいなよ」

 さやかが姉のように、愛美を(さと)す。
 彼女は頼られる方が嬉しいんだろう。だから、もっと愛美に「頼ってほしい」と思っているのかもしれない。

「そうですわよ、愛美さん。困っている時に誰かを頼ったり、甘えたりできるのは子供だけの特権ですわ」

「それに、おじさまだって愛美に『甘えてほしい』って思ってるかもよ? わが子も同然なんだし」

「……うん、そうだね」

 と頷いてはみたものの。これまで(つちか)われてきた性格というのは、なかなか直らないものである。
 そして彼女の甘え下手な性格≠ェ、この先彼女自身を苦しめてしまうことになるのだけれど、それはさておき。

「――さて、ボチボチ帰ろっか。それともどっかで一休みして、お茶でもしてく?」

「そうですわねえ。それなら私、いいお店を知ってますわよ」

(お茶……)

 盛り上がっている二人をよそに、愛美はその一言に()(じょう)に反応してしまった。初めて純也と二人でお茶した日のことを思い出し、彼女の顔はたちまち真っ赤に染まる。

「……ん? 愛美、どした? 顔赤いけど」

「…………なんか今、純也さんのこと思い出しちゃった」

「あらまあ、叔父さまのことを?」

 珠莉が目を丸くした。けれど、気を悪くした様子はない。

「うん……」

「恋するオトメは大変だねえ」と、さやかは笑った。

「オッケー。お茶は寮に帰ってから、ウチの部屋でやることにして。帰ろ。その代わり――」

「えっ?」

「愛美が書こうとしてる小説の構想、聞かせてよ。……あっ、もしかして恋愛小説書くつもりだったり?」

 さやかが愛美をからかってきた。ただし、彼女に悪意はない。女子高生は、人の恋バナを聞きたがるものである。

「ぇえっ!? まだ何にも決まってないよ、ホントに!」

 恋愛小説なんて、今の愛美に書けるわけがない。今まで恋愛経験が全くないんだから。

「あー、そっか。今が初恋だったね。でもさ、これで恋愛小説も書けるようになるんじゃないの?」

「…………まあ、そのうちね。考えとく」

 さやかに食い下がられ、愛美はそう答えた。
 今も想像でなら、書けないこともないかもしれないけれど。とりあえず今は自分の気持ちだけでいっぱいいっぱいで、この経験を小説にしようなんて発想は浮かばないのだ。

「うん……、そっか。まあ、今回はどんなの書くかわかんないけどさ、頑張
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