暁 〜小説投稿サイト〜
拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第1章 高校1年生
二学期〜素敵なプレゼント☆ @
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が始まった。
「――いやー、助かったぁ。愛美が宿題教えてくれたおかげで、あたしも恥かかずに済んだわ。ありがとね」
三限目終了のチャイムが鳴るなり、さやかが愛美の席までやってきた。
「そう? 役に立ててよかった」
始業式の日は授業がなく、ホームルームが終わるとあとは生徒たちの自由時間。寮にまっすぐ帰るもよし、街へショッピングに出るもよし。
なので、さやかが愛美に放課後の予定を訊ねた。
「愛美、このあとどうする? 寮に帰る? それともどっかに買いもの行く?」
「う〜ん。お買いものは行きたいけど、制服のまんまはちょっと……。一度寮に帰って着替えて、お昼ゴハンが済んでからにしようよ」
他の同級生は、何の抵抗もなく制服のままで街に
繰
(
く
)
り出しているらしいけれど。愛美はそれに抵抗があるのか、まだ慣れないでいる。
服を着替えることで、学校とそれ以外のスイッチを切り替えたいのかもしれない。
「あたしはどっちでもいいけど……。愛美がそうしたいんなら、あたしもそうするよ。ねえ、珠莉も行く?」
さやかはいつの間にか近くに来ていた珠莉にも話を振った。
「お二人が行くのなら、もちろん私もご一緒するわ」
珠莉という子は初対面の時はツンケンしていて、あまり好きになれないタイプだと愛美は思っていたけれど。半年近く付き合ってきて分かった気がする。
本当の彼女は、淋しがり屋なんだと。――そう思うと、彼女に対する反感とか苦手意識がなくなってきた。
「うん。じゃあ三人で行こう」
「しょうがないなぁ。愛美がそう言うんなら」
さやかもやっぱり、なんだかんだ言っても愛美と仲良しでいたいし、珠莉との距離も縮めようと努力しているんだろう。
――というわけで、この日の放課後は三人で、街までショッピングに繰り出すこととなった。
三人は教室を出て、寮に向かうべく校舎二階の廊下を歩いていく。
その途中、文芸部の部室の前を通りかかると――。
「……ん? 見て見て、愛美! コレ!」
さやかが一枚の張り紙の前で立ち止まり、愛美に呼びかけた。
「どしたの、さやかちゃん? ――『短編小説コンテスト、作品募集中』……」
愛美の目も、その張り紙に釘付けになった。
それは、この学校の文芸部が毎年秋から冬にかけて行っている短編小説のコンテストの張り紙。よく読んでみると、「部員じゃなくても応募可」とある。
そして、原稿は手書きのみ受け付けます、とも書かれている。
「ねえ愛美、ダメもとで出してみなよ。どうせ小説書くんなら、何か目標あった方が張り合いあるでしょ? チャレンジしてみて損はないと思うよ」
「そうねえ。愛美さんのお書きになる小説を読んでもらえる、いい
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