暁 〜小説投稿サイト〜
拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第1章 高校1年生
二学期〜素敵なプレゼント☆ @
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てくれたさやかに宣言した。

「うん、行っといで。あたしはここで待ってるから」

 さやかに背中を押され、部室のスライドドアを開けようとするけれど、ためらってしまう。

(うわぁ……、緊張するなあ。でも、頑張れわたし!)

 深呼吸して、もう一度スライドドアに手をかけた。

「……失礼しまーす」

「はい? ――あ、入部希望者?」

 出てきたのは、ポニーテールの落ち着いた感じの女の子。多分、三年生だと思われる。彼女の左腕には部長≠ニ刺しゅうが入った白い腕章がある。

「あ……、いえ。入部の予定はないんですけど。――あの、わたし、一年三組の相川愛美っていいます。コレ、短編小説のコンテストに出したいんですけど……」

 緊張でしどろもどろになりながら愛美は答え、抱えていた封筒を文芸部の部長に差し出す。

「ああ、コンテストの応募ね。ご苦労さま。確かに受け付けました」

 彼女は愛美から原稿を受け取ると、笑顔でそう言った。

「部外の人の応募って珍しいのよねー。応募要項には書いてあるんだけど、なかなかハードル高いみたいで。あなたの勇気、心から歓迎するわ。結果は一月に出るから、少し待っててね」

「はいっ! よろしくお願いしますっ! じゃ、失礼します」

 部室を出た愛美は、書き上げた時以上の達成感を感じながら、意気揚々(ようよう)とさやかの元へ。

「おかえり。――ちゃんと渡せた?」

「うん! ちょっと緊張したけど、なんとか」

「そっか、お疲れ。よく頑張ったね、愛美! じゃあ帰ろ」

 実は、初めて上級生と話したのでものすごく勇気が要ったのだ。そんな愛美は、自分の頑張りをさやかが(ねぎら)ってくれたことがすごく嬉しかった。 

「結果は一月になるんだって」

 ――寮に帰る途中、愛美はさやかに文芸部の部長さんから聞いたことを伝えた。

「そっか。楽しみだねー」

「うん……。でもちょっと不安かな。だって、部外の人からの応募って珍しいらしいもん。いつも部活で書いてる人たちに比べたら、わたしなんか素人だよ」

 部長さんも言っていた。「部外の人からの応募はハードルが高いみたいだ」と。だから、結果が貼り出された時、その中に自分の名前があるという光景が想像できないでいるのだ。

「そんなことないよ。文芸部の部員っていったって、プロってワケじゃないっしょ? みんなアンタとおんなじ高校生なんだからさ。文章書くのが好きなのは変わんないじゃん。もっと自信持ちなって」

「……うん、そうだね」

 愛美は頷く。
 この高校に入れることになったのだって、あしながおじさん≠ェ自分の文才を認めてくれたからだった。それを、愛美自身が「自信がない」と言ってしまうと、彼に人
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