暁 〜小説投稿サイト〜
拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第1章 高校1年生
二学期〜素敵なプレゼント☆ @
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ッグから一冊のノートを取り上げた。
「ああ、それ? 小説のネタ帳っていうか、メモっていうか。これから小説書くときに参考になりそうなこと、色々と書き
溜
(
た
)
めてきたの」
「小説? 愛美、小説書くの?」
さやかが小首を傾げる。
(……あ、そういえばさやかちゃんにも珠莉ちゃんにも、まだ話してなかったっけ。わたしが小説家目指してること)
入学してそろそろ五ヶ月になるのに、自分の大事な夢をまだ友達に話していなかったのだ。
「うん。実はわたし、小説家になりたくて。中学時代も文芸部に入っててね、三年生の時は部長もやってたんだよ」
「へえ、そうなんだ? スゴイじゃん! 頑張って! 愛美の書く小説、あたしも読んでみたいなー」
夢とかいうとバカにされるこのご時世に、さやかはバカにすることなく、素直に応援してくれた。
「うん! いつか読ませてあげるよ。わたし、頑張るね!」
純也さんに夢を応援してもらえることも嬉しかったけれど、親友のさやかというもう一人のファンができたこともまた、愛美は同じくらい嬉しかった。
(よし、頑張ろう! 二人に喜んでもらいたいもん)
夏休み前まではこの学校に慣れること・流行に追いつくことで精いっぱいで、小説を書くヒマなんてなかった。
でも、半年近く経った今は少し時間的にも心にもゆとりができてきたから、書き始めるにはちょうどいい時期かもしれない。
「――あ、そうだ。ご家族の写真、送ってくれてありがとね」
さやかは夏休みの間に、約束通り愛美のスマホにメッセージをくれた。キャンプ先で撮った、家族全員の写真を添付して。
『これがウチの家族全員だよ('ω')』
そんなメッセージとともに送られてきた写真には、さやかと彼女の両親・大学生くらいの兄・中学生くらいの弟・幼い妹・そして
祖母
(
そぼ
)
らしき七十代くらいの女性が写っていて、「さやかちゃん
家
(
ち
)
ってこんなに大家族なんだ!」と愛美は驚いたものだ。
「いやいや、約束してたからね。ウチ、家族多くて驚いたでしょ?」
「うん。今時珍しいよね。あれで全員なの?」
「そうだよ。あと、ネコが一匹いる」
「へえ……、ネコちゃんかぁ。可愛いだろうなぁ」
ちなみに祖母は父方の祖母で、祖父はすでにこの世にいないらしい。
「わたし、普通の家庭って羨ましい。将来結婚して家庭を持ったら、そんなあったかい家庭にしたいな」
あの写真からも、牧村家の温かさが伝わってきた。さやかの家は、愛美の理想とする家庭そのものだ。
「それ言うんなら、あたしはアンタの方が羨ましいよ。兄弟姉妹がいっぱいいるじゃん」
自分だって四人
兄妹
(
きょうだい
)
の二番目なのに、さやかは施設でたくさんの
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