暁 〜小説投稿サイト〜
拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第1章 高校1年生
恋の予感……
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思っているのだ。

「まだ成長()(じょう)だろう? これからまだ伸びるんじゃないかな。だから気にすることないと思うけどな、僕は」

「はい……。そうですよね」

「ご両親も小柄な人だったの?」

「さあ……。わたし、施設で育ったんです。両親はわたしがまだ物心つく前に亡くなったらしくて」  

「そっか……。何だか悪いこと聞いちゃったみたいだね。申し訳ない」

「いえ! そんなことないです。わたしが育った施設はいいところでしたから」

 純也に謝られ、その口調から同情が感じられなかったので、愛美は笑顔でそうフォローした。
 そしてこう続ける。

「その施設を援助して下さってる理事のお一人が、わたしが中学の宿題で書いた作文を気に入って下さって。その方のおかげでこの学校に入れたんです、わたし。小説家になるっていう夢も応援して下さってるみたいで」

「小説家を目指してるの?」

「はい。幼い頃からの夢なんです。わたしが書いた小説を一人でも多くの人に読んでもらって、『面白い』って感じてもらえたら、と思って。――あ、すみません! つまらないですよね、こんな話」

 つい熱く自分の夢を語ってしまった愛美は、ハッと我に返った。

(からかわれるかな、コレは……)

 もしくは(あき)れられるだろうか? 「そんな夢みたいなこと言ってないで、現実を見た方がいい」とか。

 ――ところが。彼の反応は愛美のどちらの予想とも違っていた。

「いや、ステキな夢だね。僕も読書が好きだから、君の夢が叶う日が楽しみだよ」

(え……?)

 いかにも現実的そうな珠莉の叔父なのに、純也も自分の夢を応援してくれるらしい。――愛美の胸が温かくなった。

「はい! ありがとうございます!」

(やっぱりこの人、珠莉ちゃんと似てないな)

「純也さん、次はどこがご覧になりたいですか?」

 愛美は彼と一緒にいられるこの時間を、もっと楽しもうと思った。


   * * * *


 ――学校内の広い敷地を歩き回ること、三十分。

「愛美ちゃん、この学校は広いねえ。ちょっと疲れたね。どこか休憩できる場所はないかな?」

 純也が愛美を気(づか)い、そう言ってくれた。
 実は愛美も、少し休みたいと思っていたところだったのだ。

「はい。じゃあ……、あそこの松並木の向こうにカフェがあるんで、そこでお茶にしませんか? 行きましょう」

「うん」

 純也が頷き、二人は歩いて三分ほどのところにあるカフェに入った。

「――なんか、今日は()いてるね。いつもこんな感じなの、ここは?」

 月(なか)ばのせいか、店内はガラガラに空いていた。

「いえ。多分
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