暁 〜小説投稿サイト〜
拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第1章 高校1年生
恋の予感……
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ってたみたいです。
それ以来、珠莉ちゃんはわたしと口もきいてくれなかったんですけど。今日純也さんから「金曜日のお礼に」って高級なチョコレートが三箱届いて(さやかちゃんの分もありました)、すっかり彼女の機嫌は直ったみたいです。
わたしはというと、あの日からずっと純也さんのことが頭から離れなくて。夜眠れば夢に出てくるし、授業中もついついあの人の顔が浮かんできて、得意なはずの国語の授業中に先生の質問に答えられなくて注意されました。
こんなこと、生まれて初めての経験で。「これはなんていう感情なの?」って二人に訊いたら、さやかちゃんが教えてくれました。「それは恋≠セよ」って。
恋をするって、こういうことだったんですね。本では読んだことがあったけど、実際に経験するのはまた別の感覚です。ドキドキしてワクワクして、フワフワした気持ちです。
もちろん、おじさまはわたしにとって特別な存在です。なので、いつかおじさまもわたしに会いに学校まで来て下さらないかな。校内を案内しながらおしゃべりしたり、お茶したりして、わたしとおじさまの相性がいいのか確かめたいです。それで、もしも相性が悪かったら困っちゃいますけど、そんなことないですよね? おじさまはきっと、わたしを気に入って下さるって信じてます。
では、これで失礼します。大好きなおじさま。
五月二十日 愛美より 』
****
手紙の封をし終えると、愛美は純也が送ってくれたチョコレートを一粒口に運んでみた。
「美味しい……。こんな美味しいチョコ食べたの初めてだ」
それが高級ブランドのチョコレートだからなのか、好きな人からの贈り物だからなのかは分からない。
でも、愛美はできれば後者であってほしいと思った――。
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