暁 〜小説投稿サイト〜
拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第1章 高校1年生
恋の予感……
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た。
「ここにG≠フついてる検索エンジンあるじゃん? この部分に調べたい単語を打ち込んで、検索のキーを押すの。そしたら検索した結果がいっぱい出てくるから」
「なるほど……。ありがと、さやかちゃん! わたしもやってみる!」
愛美はさやかにスマホを返してもらうと、早速検索エンジンに「あいみょん」と打ち込んでみた。
「へえ……、こういう人なんだ。一つ知識が増えた。ありがとね、さやかちゃん!」
「いいのいいの。また何か分かんないことあったら訊いてね」
「うん!」
知らなかったことを一つ知れたことももちろんだけれど、スマホを通じてまたさやかと親しくなれたことが、愛美は嬉しかった。
「っていうか、部屋にパソコンあるんだからさ、そっちでも調べものできるじゃん?」
「あ、そっか。そうだよね」
言われてみればそうだ。パソコンにも検索機能はついているのに、愛美はまだうまく活用できていない。
「――ところでさ。夏休みの予定ってもう決まってる? 行くとこあんの?」
さやかが唐突に話を変えた。まだ五月の半ばだというのに、早くも夏休みの話題を持ち出す。
「ううん、まだ何も。おじさまに相談しようとは思ってるけど……。施設に帰るわけにもいかないし」
「だよねえ」
どうやらさやかも、愛美がそう答えるらしいことは予想していたようだ。
「? 何が訊きたいの、さやかちゃん?」
「いや、せっかく女子高生になったのにさあ、女子校だと出会いがないなあと思って。夏休みになれば、恋のチャンスもあるかなーって」
「恋……」
愛美の口からは、それ以上の言葉が出てこない。何せ、恋の経験が全くないのだから。
「ねえ、愛美のいた施設って男の子もいたよね? そこから恋に発展したりは?」
「ええっ!? ないよぉ。施設にいた男の子はみんな兄弟みたいなもんだったし」
「じゃあ、中学までの同級生とかは? 男女共学だったんでしょ?」
さやかはなおも食い下がる。
「それもないよ。だって、学校の男の子たちからは同情しかされなかったもん。わたし、施設で育ったからって同情されるの大っキライなの」
「そうなんだ……。じゃ、今まで一度も恋したことないの?」
「うん、まあそうなるよね。……でも、初恋がまだって遅いのかな? 世間的には」
自分が世間的にズレていることは愛美自身も分かっていたし、ずいぶん気にしてもいた。
中学時代の友達の中には、好きな人どころか「彼氏がいる」という子もいた。愛美は「自分は自分、焦る必要なんかない」と自分に言い聞かせていたけれど、やっぱり少しくらいは焦るべきだったんだろうか?
「まあ、それは人それぞれでしょ。気にすることないよ。あ
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