暁 〜小説投稿サイト〜
トップシークレット☆ 〜お嬢さま会長は新米秘書に初恋をささげる〜
第3部 秘密の格差恋愛
大切な人の守り方 D
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「――あー、せいせいしたぁ! 内田さん、真弥さん、ご協力ありがとうございました」

 作戦が無事に成功した充実感から、わたしは探偵のお二人にお礼を言った。

「いやいや。オレ、何もしてませんよ。ほぼ女性陣二人の活躍でしょ?」

「そうそう☆ これで頂いた五十万円分はキッチリ仕事させてもらいましたんで。あたしたちは撤収しまーす♪ あとは彼氏さんとお二人でどうぞ」

「…………えっ? ――貢……」

 真弥さんたちが手で示した方向に、見慣れたシルバーのセダンにもたれかかった私服姿の彼を見つけてわたしは大きく目を見開いた。
 彼はいつものにこやかさはどこへやら、両眉をひそめて思いっきり仏頂面をしていた。……これは、絶対に怒ってる…………。

「――絢乃さん!」

「ごめんなさい。貢、あの……。お、怒ってる……よね?」

 彼はわたしの方へ駆け寄ってきた。彼のこんなに険しい顔を見たのは初めてで、わたしはこの時初めて彼を怖いと思った。オドオドと上目遣いに彼の顔色を窺うと、彼は腕を伸ばしてきてわたしを抱きしめた。ここが思いっきり公衆の面前だということも忘れて。

「……よかった……。あなたが無事で、本当によかった……」

 彼に心配をかけた自覚はあったので、わたしもされるがままになっていた。密着していた彼の体からは温もりを感じた。

「ごめんね、貢。心配かけちゃって、ホントにごめん。……でも、心配してくれてありがと。これくらいの方法しか思いつかなくて」

 路上で抱き合っていると、周りが何だかザワザワと騒がしくなってきた。

「……とりあえず、クルマに乗って下さい。話はそれからです」

「そう……だね」

 これ以上のイチャイチャは人目が気になるので、わたしたちは彼のクルマへと移動したのだった。

「――改めて、貴方には心配をおかけしました」

 わたしはいつもの指定席である助手席ではなく、後部座席で彼に深々と頭を下げた。

「ホントですよ。あれほど無茶なことはするなと言ったのに。ヘタをすれば、絢乃さん、アイツにケガさせられてたかもしれないんですからね?」

 彼はまだご立腹のようだった。でも、それはわたしのことが本当に心配だったからにほかならない。

「だーい丈夫だって。そのためにあの頼もしいお二人にも協力してもらったわけだし。いざとなったらボディーガードをしてもらうつもりで――」

「イヤです」

「…………は?」

 彼に唐突に話を遮られ、わたしはポカンとなった。「イヤ」って何が?

「あなたが他の人に守られるなんて、僕はイヤなんです。あなたを守るのは僕じゃないとダメなんです。……すみません、ダダっ子みたいなことを言って」

「ううん、別にいいよ。貴方の気持ち、す
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