暁 〜小説投稿サイト〜
トップシークレット☆ 〜お嬢さま会長は新米秘書に初恋をささげる〜
第3部 秘密の格差恋愛
過去なんて関係ない! C
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
よ?」

 ご実家のことをあくまでも謙遜する貢に、わたしは思わず笑ってしまった。

「……何ですか?」

「ゴメン! わたしが言ってる家柄≠チていうのはそういうことじゃなくて、ご家族との関係とか家庭環境のことだよ」

「ああ……、そういうことですか」

「うん。そういう意味では、貴方は人柄も家柄も、わたしのお婿さんとして合格。あとは……貴方自身の気持ち次第だけど。……お母さまから聞いたよ。貴方が過去に、お付き合いしてた女性から裏切られて傷付いたって。それ以来、女性不信になってるって。……つらかったよね」

「…………。それで、絢乃さんは泣かれたんですね」

「どうして……」

「夕食の時、絢乃さんの目が少し赤くなっていたのが気になって」

「気づいてたんだ? じゃあ、それを踏まえたうえで貴方に訊くね。貴方は、わたしのことも信じられない? いつか裏切られるって思ってるの?」

 わたしは質問しながら、そうじゃなければいいと信じたかった。彼はわたしのことは信頼してくれているはずだ、そうであってほしい、と。
 だって、わたしと彼との間にはその時すでに、確かな信頼関係が築かれていたはずだから。

「そんなこと、あるわけないじゃないですか。あなたが純粋でまっすぐな女性だって、僕がいちばんよく知ってますから。そんなあなたが僕を裏切るはずないです。ですが……、やっぱり不安になるんです。一度生まれてしまったトラウマは、なかなか消えなくて――」

「わたし、貴方の過去なんて気にしない。過去なんて関係ないから」

 彼の必死な言い分を、申し訳ないと思いながらもわたしは遮った。

「確かに、貴方は過去の恋愛でつらい思いをして、心に大きな傷を負ったのかもしれない。でもね、貢。わたしはこれからの貴方の笑顔を守りたいの。わたしが貴方のトラウマなんてなかったことにしてあげる。だから、わたしを信じて前を向いてほしい。一緒に前に進もう?」

 ……さて、言いたいことはすべて言った。あとは、彼がどうするかだ。わたしは返事を待つしかなかった。

「……はい。実は僕自身も、このままじゃいけないと思ってたんです。前にも申し上げたとおり、絢乃さんと結婚したいという気持ちはあるので、これから前向きに考えてみようと思います」

「よかった……。ありがと、貢! ちょっとお節介だったよね、ゴメン。貢に迷惑がられたらどうしようかと思って心配だったの」

「確かに、絢乃さんは時々お節介ですけど。僕はあなたのそういうところもキライじゃないですよ」

「えっ、ホント!?」

「というか、むしろ大好きです。絢乃さんのお節介は押しつけがましくないので」

「…………あ、そう」

 お節介を「大好き」って言われても……。わたしはリア
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ