暁 〜小説投稿サイト〜
トップシークレット☆ 〜お嬢さま会長は新米秘書に初恋をささげる〜
第3部 秘密の格差恋愛
次のステップって……? C
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した料理はあまり得意じゃないですね」
「え、そうなの? じゃあ、毎日のゴハンは?」
「週末は近所にある実家で食べてます。平日は……兄に作ってもらったり、外食やコンビニ弁当とかですかね」
「あらら、なんか栄養バランスが心配な食生活だね……。今はわたしと一緒にお食事して帰ってるからまだマシかな」
何だか
侘
(
わ
)
びしい彼の食生活に、わたしは軽いショックを受けた。彼の場合、栄養管理はご実家ありき、ご家族ありきだったようだ。というか、ひとり暮らしの若いサラリーマンの食生活なんてこんなものだろうか?
「そうだ! よかったら、これからはわたしも時々ここでゴハン作って一緒に食べようか? お休みの日だけでもよかったら」
「えっ、いいんですか!? すごく嬉しいし助かります!」
わたしの提案に、彼は大喜びした。
「――じゃあ、カレー作り始めよっか。まずは野菜の仕込みからね。貢には……ニンジンとジャガイモの皮むきをやってもらおうかな。ピーラーでも包丁でも、やりやすい方で。手、ケガしないように気をつけてね」
「分かりました」
彼に手伝ってもらいながら、わたしは手際よく材料を炒め、お米を洗って炊飯ジャーにセットし、カレーの隠し味となるリンゴをすりおろし、手早くサラダを作った。
そして煮込み始めて三十分後(下ごしらえやら何やらでゆうに一時間以上を
費
(
つい
)
やしていたのだ)、カレーライスのお皿とサラダボウル、ケーキのお皿などが並ぶ座卓を二人で囲んで乾杯をした。飲み物は二人ともサイダーだ。
「――では、ちょっと早いけど、貢のお誕生日を祝して……」
「「カンパ〜イ!」」
グラスの中身に口をつけてから、カレーを食べ始めた。
「……うん! お肉ホロホロになってる〜? 美味しくできたねー。辛さもちょうどいいし」
「ええ、美味しいです。ジャガイモを大きめに切ったのが正解でしたね。あと、飴色になるまで炒めた玉ねぎが効いてます」
初めて彼のために作ったカレーは我ながら会心の出来で、彼はお代わりまでしてくれた。それでケーキも食べられるの? とちょっと心配になったほどだ。
「カレー、ちょっと多めに作ったからタッパーに入れて冷蔵庫で保存しとくね。明日も温め直したら食べられるから」
「ありがとうございます」
チョコレートケーキも食べ終え、彼が淹れてくれた食後のコーヒーを味わっている時、わたしはこんな話をした。
「――あのね、貢。誕生日前には言えなかったんだけど、わたし、ほしいものがあるの」
「はい? それって何ですか?」
「わたし、新しい家族がほしい。パパがいなくなって、ママと二人だけになっちゃったでしょ? だからかもしれない」
「……というと?」
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